今日の質問

昨日、反省も兼ねてブログをやってたというのに
またやってしまった。
今日の質問相手は外部の人。
授業内容は「就職支援」、介護業界のある大手さんが求人と会社説明
のため特別講師としてやってきた。
その会社は資本金30億以上、従業員も7000人以上という規模らしい。
うちのヘルパースクールも大変世話になっているらしく、講師からも事前
に「くれぐれも失礼のないように、面接だと思って」と念を押されていた。

特別講師なる人物が来るまで、我々生徒は襟を正し行儀よく待っていた。
そりゃ私だって期待して待っていたさ、
どんな話をしてくれるのかなとか、
私の新しい人生の始まりになるような運命的な出会いかなとかさ。

その特別講師、見た目はいたって普通かな、
歳は30前後だろうか、中肉中背の男性で髪の毛が少し茶髪。
さすがに大手の水先案内人だけあって、慣れたテンポで説明をしていた。
会社概要と求人、氏の社内での立場と氏の介護経験を交えた感動すべき話も。
氏は、いつも普段から説明会のような事をしているのだろう、少し慣れすぎ
た感はあるにせよ流れるような良い説明だったと思う。

そして、やはり説明が終わるといつもやるのだろう、
「では皆さん、何でもいいから介護に関して質問はありませんか?」
と、きたんだよ。
「さあ、かかってらっしゃいヘルパーの卵諸君!」みたいな感じでね。
親切にもそのように問い掛けられて質問しない事は失礼にあたるでしょ?
だから私は質問したんだよ。

介護の仕事では担当する老人の死に直面する、
そんな時でも介護職は、他の仕事に支障がなきよう務めねばならない。
その場で泣き崩れてはならぬ、心で泣けるようなプロであれと。
授業でもやったが、「鉄の心」を持てという教えだ。
「では、どうしたらそうなれますか?」
「その具体的な方法は?」
「貴方は何年くらいで、そうなれましたか?」
と、質問をしたんだ。

氏の回答は「まだ、なれません・・・」の一言だったよ。

当たり前だよな、介護は心の商売だ、物を扱うとは訳が違う。
余程でない限り、いや最前線の大手さんだって解決できてないのだ。
つまりそんな大事な根源的な事さえ、疎かにしているって業界なんだよ。
私が失望するところはそこなんだよ。
故に、そんな些細な隙間にさえビジネスチャンスがあるって事よ。
そういった(死に直面する)場面は多いだろうから、それならヘルパーに
対する心のケアとしてのカウンセラーだったり、宗教的な心の慰めや、癒し
の効果のある「何か」だって商売として考えられる。
カウンセラーも、物も、ごまんとあるだろうにね。
心構えの勉強するなら般若心経は最高さ、他にも色々あるだろ!
何?!
そんなアイデアあるならつまらん質問などしないで黙ってろってか?
それができりゃ、やってるよ!
私は一つでもいいから答えて欲しかっただけ。

一縷の不安はそういった事は、もしかしたら机上の空論かもしれない。
日々の仕事に追われると心の余裕もなく、ただ人生の時間を削るだけの仕事
なのかもしれない。
介護職として実際に現場で働いてみぬと分からない。
或いは数年後の自分は、担当の老人が死んでも涙一つ流せない人間になって
いるのかもしれない。何も知らない新人ヘルパーに重労働を強いる沖本の
ような酷い上司になっているかもしれない。

そうならぬ為にも、今の挑戦心と思いつきを忘れぬように、
今日の失敗をここに書いた。

170931(257) H22 8月26日 PM11時45分