国家安康
19日より父と旅行へ行く。
初日 上賀茂神社
二日目 二条城、造幣局通り抜け
三日目 嵐山渡月橋、野宮神社、天竜寺、方広時。
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本命は二日目の造幣局、少し盛りは過ぎていたが満開の八重桜は
見事だった。
桜の名所といわれる場所は全国各地にあるが、大阪造幣局の八重桜と
東京高尾農林試験場の桜、この二箇所は充分に堪能できる。
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父は博学でQさまみたいな番組でも殆ど答えが解るような人であるが、
特に歴史の分野においては一段と詳しい。
一緒について回るとまるで修学旅行かツアーの先導役のよう。現地の
立て札にさえ書かれてないような由来や神様の名前やらを次々と・・
父は親切で説明してくれているつもりだろうが、歴史にあまり興味の
ない私には少々「うざい」と思うときがある。
こっちはカメラを回しながら「二人で旅行なんてもう何度も来れない
だろう、だからベストアングルで」と、真剣に。そう本職のAVを撮る
ときよりも真剣にやってる、その横で「何々天皇がどうのこうの・・」
と説明されても分からない。
オヤジも歳なんだな・・・とか、私に学がもっとあればな・・など思った。
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私はこの旅行で心底思った。
俗に言う親孝行という言葉があるが、あれは何だろう?
金持ちになって親に温泉に連れて行くことか?
自分が五体満足で家庭円満で初孫の顔を見せることか?
親の事業を継ぐことか?
どれもそうだと言えばそうだが、
親と友達のようになって同じ趣味に没頭している瞬間こそ、その時間が
長いほど親孝行じゃないかって・・・・そんな気がしてならない。
人間てもんは趣味に没頭しているときは老いも若きもない。だから話の
かみ合わない分野で接するよりも、お互い切磋琢磨できる共通の趣味が
あり、その時間を多く持てれば、いい親孝行になる気がする。
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私と父はたまたま植物が好きだ、そして出来損ないの私は仕事も少ないの
で、たまたま実家で過ごす機会が多い。
そう考えりゃ、今の私の状況もまあまあか?
世の中何が良くて、何が災いするか分からない面白さはあるってもんだ。
そう思って無理やり納得させてる自分があるのも理解している。
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サバンナで生きてるハイエナ。
アレは集団生活をする哺乳類だがちょっと変わってる。普通は二頭のつがい
から子供が生まれ、成長すると巣立ちをして群れを離れてゆく。ところが、
ハイエナには巣立ちをできない出来損ないみたいなのが一匹くらいいて、
それが親元に残り子育てを手伝ったりするのだ。そしてその出来損ないのお
かげで留守の巣が守られたりして役立っている。
なんだか今の私のようで笑ってしまう。
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そんな事ではいかんな〜と思ってはいるが・・・
心のエンジンはまだかからない。
今回の旅行中もずっと、そんなことが頭から離れることはなかった。
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139575 H21 4月22日 PM8時35分