殺意

スカウトマンの一人から連絡あり。
「もうそろそろ仕事をしませんか?忘れちゃいますよ」、と。
そんな薄情な電話にも
「仕事の枠が決まったら連絡しますから、待ってて」などと、
そう言いつつも、こんな薄情な奴とは付き合いたくないと思う私。
受けていた仕事があったので、別のスカウトマンに連絡してみると
「現在お掛けの電話はお客様のご都合で・・・・」ってな状況。
ちょっと仕事関係を疎かにするともうこの有様、考えようによって
は好都合でもある、このまま今の仕事と決別の決意ができるから。
出来る事ならそうしたい、でもそれじゃ生活を維持できない。
と言う事で、少し焦るというか微妙な感じ。
小金はあるので、すぐさま生活に困るといったものではないが、それ
だって何年間も生活できる額ではない。
両親は大体の状況を察しているらしく、実家に戻ってきてそこから
仕事へ通えばいいと言ってくれている。勿論今の仕事を辞め、園芸など
の仕事をする場合の話ではある。
それも一つの手段であると思うが、極めて情けない話だと思う。
どうせ実家へ戻るなら、園芸関係などマトモな仕事で生計を立てて、
親の面倒を見れる形になってからそうしたいと思っている。
今の仕事だって何年間も世話になり、今でこそ嫌気がさしてはいるが、
一時はこの仕事が最後の止まり木だと思っていた事もある。
色々あったが実際にこの10年間生きてこれたのは、この仕事のおか
げであり、それについて感謝してもいる。
この仕事が絶対的な「悪」というのではない、私のメンタルな部分が
付いていけなくなっているだけなのだ。
仮に中国あたりがポルノ解禁になり、私にも仕事が回ってきて、月に
100万、200万の収入が永続的に見込めるとなったら、きっと
この仕事に生涯を捧げようなんて気になるに決まってる。
人間なんてそんなもんで、いくら大そうな大儀思想を持ったところで、
所詮は目の前の札束には弱いものだ。私なんかもその口だ。
特に歳をとってくると夢を追うのが虚しくなり、手の届く平安な平坦
な平凡を求めたくなるのだ。
夢を諦めるといった大袈裟な事ではなく、現実を直視するという堅実な
道にやっと気付くのである。
また、そういう道こそ人の進む道であり、その人に合った道であり、
そういう人生の道端の草むらの陰に、こっそりと気付かず咲いている花
こそ「幸せ」というものである事も、最近やっと分かってきた。

そうこう思っていたら、前にウチのモデルだった子から連絡があり、
AVをやりたい子がいるので紹介したいと言って来た。
(かなりハイクラスな若い子らしい)
どうだろう?もしその子が単体クラスだったら?私は来月からベンツを
乗り回して豪遊できる身分になっちまうんだ・・・。
仮に、仮に単体クラスだったらだけどさ(笑)

そういう誘惑を行ったり来たりして、そうやっていつの間にか歳をとり、
あっという間に老人になり、信用できるものは金だけ・・・みたいな。
私はもうそんな人生に片足突っ込んでるからねぇ、嫌になっちゃうよ。
今だったらまだ間に合うかな?
間に合うなら、もう一度新しい人生にチャレンジしてみたいな。
どんなに貧乏でもいいから、寝床とメシが食えりゃいいから。
そういう苦境に陥る度胸のない私を、私は殺したいほど憎んでいる。

ちなみに夏美は来なかった。
「雪が降って寒いから」という何ともお嬢様な理由。

今は雪もやみ雨が降っている、雨が雪を解かしている。
ふざけた理由で来ないけど、友情までは解かしたくないな〜と、思っている。

91050(154)  23日  PM6時10分