危機
いよいよ危機が迫って来た。
メインの取引先が前言を覆し、仕事枠の減枠から今年いっぱい
までとの取引中断を申し入れてきた。
さ〜て困ったぞ、これでいよいよ余裕どころか・・・
42歳になったばかりの私に、いきなりシビレるような試練だ。
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特にこの一年、そのメインの取引先だけで喰ってきたようなも
のだし、そこが終われば私も業界を去ろうと思っていたので、
これといった備えもない。他社に多少の営業はしたが、それも
今のところ確定してないのでアテには出来ない。
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こういった場合、普通は焦り不安になるべきなのだろう。
だが私は違う、「どうにかなるだろう」という安穏たる気持ちで
はなく、「いよいよその気にさせてくれたぜ」みたいな闘志が
湧いてくるのである。
過去に幾度も絶体絶命と思う事があったが、なんとか乗り越えて
きたし、今度も大丈夫だろうと思う。
仮にこの仕事で喰っていけなくなったとしても、それが転機であ
り次の新天地へ向かうターニングポイントであると考えれば、こ
れほど喜ばしい事もない。
小手先調べに、園芸の仕事を探ってみるのも一案かもしれない。
そこからシルバービジネスへの道が開けるかもしれない、なんと
言ってもこれからはシルバービジネスだから。
シルバービジネスといっても、ヨボヨボの年寄りばかりを相手にし
たような仕事と思っちゃ大間違い。中高年者をターゲットにした
ビジネスと捉えたほうがベターだろう。日本の財はそこに集中して
いるのだから、金脈を掘り当てる可能性は大きい。
甘くはないであろうと想像できるが、少なくとも今までのように
敬遠されがちな職業の中の、それこそ特殊なジャンルだけで生計を
立ててきた私だ、今までよりはマシじゃないか?とも思ってる。
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などなど・・・前向きには考えるようにしている私だが、
どうなるか?今現在ではまったく分からない状況。
ひょっとすれば今の仕事の依頼が消化しきれないまま、もう何年か
やるかもしれない。来年早々に園芸関係の何かをやっているかもし
れない、まったく別の商売をしているかもしれない。
プロダクションを解散するとき、あるマネージャーが言っていた。
「お若いんだから、これからまだまだ一山も二山もありますよ」と。
私もそう思っている、私の人生に今までも平坦な道は少なかった。
これからも険しい道は多くあり、登ろうと思えば上もあり、どこか
の業界の頂上付近までとは言わずとも、あまり人の来ない場所まで
は到達するであろう。きっと到達するだろう。
つまり、登らなければならない。
今のままでは、いつまで経っても谷底の徘徊でしかない。
せっかく知り合った仕事先も、不況のあおりでことごとく取引が
中断し、せっかく知り合った女たちだって・・・。
誠意や好意が、裏心や徒労に終わるこんな業界なんて!!!
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82519 12月9日 PM11時55分