味噌ラーメン

昨日から遊びに来ているアキが、私のブログを読んで激怒している。
怒りは紀恵と夏美に対するものだが、その矛先は紀恵と夏美を通して
私に向けられている。
アキが怒っている理由の一つは、私が他の子をサンシャインに連れて
行って食事をしようとしている事。
それを食事時に言い出したのだ。アキが食べているのは玉子かけご飯。
「私にはこんな食事で、他の子はサンシャインなの?!」
と、きたわけである。
それにはちゃんと理由もある。昨日コンビ二でどっさりと買い込んだ
食料や菓子類で、すっかり胸焼けをして食欲のない私に
「味噌ラーメンが食べたいです〜」と、アキが甘えてきたので
「外にでると寒いから、冷蔵庫にあるものを食べようや」
と、私が言ったのでそうなったのだ。
「私は味噌ラーメンも食べさせて貰えないのに、他の子はサンシャイン
で食事なんだ」そう言ってアキはスネているのだ。
これには私もプッと吹き出しそうになるほどおかしかった。アキも可愛
いところがあるものだ、アキとは近所の美味しい焼肉屋に2回も行って
るし、それに他の子と食事の差別などとは毛頭考えてもない事だった。
炊き立ての白米に玉子かけご飯、これ以上の贅沢が他にあるだろうか?
質素ではあるが、私は最も好きな献立の一つである。
サンシャインのラウンジで1杯1000円もする気取ったコーヒーなど
飲んだところで、ステータスは感じられてもそれ以上ではない。
それをアキに説明しても納得してないようだった。
アキは何年もパトロンに頼って生活をしてきた子。しかもそのパトロン
は本当の足長おじさんであり、月に数度会うだけで一度も体の関係はな
いというから驚きだ。そのパトロンはすでにマンションを購入できるで
あろう金額をアキに注ぎ込んでいる。そんな生活をしてきたアキが
「私は玉子かけご飯で・・・」と言い出したものだから、笑えるのだ。
私は笑いながらも、女の可愛い嫉妬心も理解してやろうと、何とかその
件は納得させた。
するとアキは今度は2本目の不満の矢を放ってきた。
11月30日参照http://d.hatena.ne.jp/takeshiokimoto1/20071130
「え〜?二人じゃダメよ、アキさんも誘ったら?」の部分に対してだ。
アキ曰く
「何よこの夏美って女!私をボディーガードかなんかと思ってるの?
 冗談じゃないわよ、そんな上から目線でモノを言われる筋合いなん
 てないわよ!!
 そんなに沖本さんが危ないと思うなら、自分の友達連れてくればい
 いじゃないの、何で私が呼び出される様な安っぽい言い方されるの?
 何様のつもり?ソレほどの女なの?顔を見てやるわよ!!
 彼女の写真くらいあるんでしょ、見せてよ
 家が金持ちなだけの、ただのお嬢様なんでしょ?」
みたいな交差をアキは切り出したのだ。
普段あんなに大人しいアキが、これほどまでに感情を露にするとは。

私はプロダクションを経営していた頃、常に100人以上のモデルたち
を動かしていた。モデル同士の確執などなく、極めてアットホームな
雰囲気で事務所に遊びに来るモデルたちの座る椅子が足りない事もよく
あった。実際に女マネージャーなどは10脚以上あった椅子でも足りな
くなると自分はメイクボックスに座っていたほどだった。
現場で一緒になったモデル同士で仲良くなった例も多く、新人を所属
モデルが紹介してくれるという事もよくある話だった。
私はそれらのモデルを束ねる長であり、大きな問題など一つも起こらな
かったので、自分ではそういう素質があるのだと自負をしていた。
「女3人を治められればヨーロッパを治められる」という言葉がある。
当時の私は「そんな言葉など大袈裟だ、それなら俺は今頃世界制覇して
いる。」などと豪語していたが、今となっては言葉の重みを感じる。

仕事での立場と友達としての立場では、こうも違うものなのだろうか?
私は今後も、友達としての関係は続けていきたいし、増やしたい。
友達同士も仲良くあって欲しいと思うから、ブログも誰にも隠さず平等
にしている。
今回は奇しくもそれが仇となった。
私にもスケベ心はある、それも隠さざるところであり、それが女心を
分かってられてないのなら問題でもある。
「どんな形のお友達でもいいではないか」というのが私の考えだ。
私の考え方が間違っているのだろうか?
プロダクションの社長という立場なら100人以上を治められても、
お友達という対等な立場では2人さえ上手くやれないのか?
本来ならお友達という立場こそ、そういう事柄に上手く対応できるもの
ではないのか?
複雑な乙女心を操る様な、器用な真似は私にはできない。
予想外の難問に、私は戸惑いを感じている。

81881(138) 12月5日   6日 AM1時10分