ゆい

あの子はきっと、「ゆい」だったと思う。
大型ベンツの中で、ゆいの相手をしている大柄の男はスキンヘッド。漫
画に出てくるような場面だった。ゆいのか細い体を弄びながら、男はゆ
いの口に吸い付き、舌を深く差し込んでベロベロしているのが見える。
ゆいは感じているようだが、ゆいの顔が見えない。
私は手にスパナを握っていた、ベンツのドアーを開けると、手にしたス
パナで思い切りスキンヘッドを殴りつけた。
するとスキンヘッドはタコになってしまい、何故か気球のようにフワフ
ワと空へ上がっていってしまった。
私は前々からしたかったように、ゆいの体をギューと抱きしめた。そし
て「やっと会えたね、食事でも行く?」なんて言って顔を見たら、その
顔はジュンだった。
ジュンは「商売の邪魔しやがって!」と言い、私を睨んでいる。横には
アキまでいて「え〜何やってんですか?」と言って私を非難するが、そ
の声は前妻の声だった。
私は窮地に追い込まれ、身動きの取れない場面で目が覚めた。
今日もまたヘンな夢だった。

「ゆい」とは実物とは一度も会った事がないPC上のお友達。既婚者で
愛人もいるが、私は強く憧れている人物。PCでやり取りし日記も読み
あう仲なので、私の事もよく知っている。だから、それ故に私の手に届
く事はない「坂の上の雲」みたいな存在の子。
憧れとか、妄想は、現実よりもいいのかもしれない。そりゃ現実の方が
よっぽど思い出には残るけど、「どうしようもない事」の一つだから、
理想を追い求める立場として諦める理由にはもってこいな訳だ。

「夢でもいいから会えてよかった」という思いと、「また出て来いよ」
という思いと、「今度はもうちょっと、いい場面でな」という贅沢な注
文もしておこう。(笑)

61224(113)  8月1日  PM2時35分