外出中に

PM10時30分
仕事の打ち合わせも終わり帰ってきた。
ジュンも仕事に行っているようだ、TELすると丁度ジュンも仕事が
終わったので帰ってくるそうだ。
いつの間にか私達は、妙な同棲生活を始めている。
「いつまで・・こうしていれるかなぁ?・・・」私がそう呟くとジュ
ンは首を傾げていたのが昨日の夜。
今日の昼、池袋で火事があって消防車がきて要町通りが渋滞してると
ラジオのニュースでやっていた。私の事務所の近所だ、ひょっとして
留守番していたジュンがタバコの不始末でもしでかしたか?と、一瞬
思った。もしそうであれば、大家から連絡が入るだろう 連絡がない
という事は大丈夫だろうと、一抹の不安を胸に帰ってきたのが先程。
事務所は何事もなく私の帰りをまっていた、ジュンの私物もある。
ジュンもそろそろ仕事から帰ってくる頃だろうとTELをしながら安
心する私である。「よかった、この電話が火事をしらせる電話でなく
て、タバコの不始末を言及する電話でなくて・・」と、思いながら。
電話口でジュンは「お腹減ってない?」と、優しく気遣ってくれる。
風俗の仕事上がりの体で疲れている筈なのに、私を気遣ってくれてい
るのだ。
私は一瞬でもジュンを疑った自分を、無性に腹立たしかったけど
「弁当でも買ってきてや」と、まるでヒモのような口ぶりだ。
私はまだまだ修行の足りない男だと痛感する。
700(68)             PM11時30分