合鍵

ささみから連絡あり、今住んでいる住所に池袋の荷物を送って欲しい
との事だった。本当にあの子は旅立ったんだなと、今更ながら実感する。
私 元気にしてんのか?たまには遊びにこいよ
さ うん、いろいろ忙しくてね ごめんね荷物取りに行けなくて
私 いいさ、お前の頼みなら 何でもするよ
  彼氏とは、うまくやってるのか?何やってる人?
さ 介護で知り合った人で、まだ学生さんなの 介護師目指してるの
私 そうなんだ、それは良かった そういう人なら優しい人だ。
  ささみが、幸せになってくれるのが、沖ちゃんの願いだよ
さ ううん違うよ、皆が幸せになるのがいいんじゃないの?
  沖ちゃん体大丈夫?咳してない?
私 大丈夫だよ、あっそうだ池袋に新しい子が住んでるんだよ最近はその
  子に特訓してるんだよ、朝練とかね
さ 懐かしいね そんな時もあったよね その子も風俗やるの?
私 いや、歌の道に進みたいらしいんだ SEXは仕事とは関係ないけど、
  上手くなりたいって言うから、しごいてんだ あともう少しで初級者
  コースは卒業できそうだな、フェラが下手なんだよ、その子。
さ 私も沖ちゃんに鍛えられたからね〜、でも稼げたし(笑)
私 その子も、いつまでここに住むか分らないけど、その時が来るまでは
  面倒みるつもりだよ。
  じゃ、そろそろ切るよ、荷物送ったら電話するよ、東京に来たら たま
  には遊ぼうね
さ うん、彼氏も沖ちゃんに「会いたい」って言ってるから今度二人で行くね。
私 ああ分ったよ、じゃあな。
ささみは、まだ私の事務所の合鍵を持っている、それを送り届けてきたら私も
彼女の荷物を送るという約束をした。本当は合鍵ではなく、ささみが来てくれ
るのが一番嬉しいのだが、ささみにその気はないようだ、もっとも私の誘いで
ささみがフラっと戻ってくるようでは、これもいけない。願わくば、ささみは
ささみの道を進んで幸せになって貰いたいものだ。
                            PM2時10分