野心

野心

まあ、何ていうのかな。
野心については作中の沖本も矢吹もそれは強く持っている。
二人はライバルとして野心を競いつつ、またそれを互いに認め合っている間柄だ。

先に書いた幸せだの地獄などの論争も、かれこれ二人が出会った頃からの事で、私に宗教的な知識や影響を与えたのは彼である。
私よりもずっと深くそれに嵌まっている彼の持論は私も黙らされることが度々である。

であるから、私は野心についても彼との比較を暴露してやろうかと考えていた。
でもよく考えてみると、そんな事をせずとも、ヤツのまみれてきた一端を私の一人称で暴露してやった方がよりリアルに書けるのではないかと思った。

ヤツが「沖ちゃんさーこの前・・」で始まる話を私がヤツに成り変わってその話を一人称で書く。
さも私が経験したふうに暴露してやろうと思ったんだよね。

これが「矢吹の夜勤編」ってやつね。
私はどちらかと言えば、若い子を相手にしてその題材をアレンジして物語をブログ風に書いてきた。
だからソフト路線が主流だった。
それに比べてヤツの話はハードなんだよ。
そんな話を書くと私がそんな人間なのか?と誤解されてしまうのが嫌で二の足を踏んでいた。

その辺を知人に尋ねると、
「お前も同じような匂いだよ」
との評価が多かったので、あれ?
そうなの?って感じでそれなら皿まで食ってやろうかとなった。
構成はできたから気が向いたら書いてみるよ。

断っておくけど、作者は植物を愛し近所では有名な孝行息子。介護施設でもダントツの人気者だったよ。
くれぐれも物語と実際を混同しないで下さいね。