その先の自由へ

ユキコがうちに来てからもう1週間になる。オペラ歌手を目指したいと
一生懸命な彼女に音楽関係のプロデューサーを紹介したが、その彼に
ユキコの歌声を聞かせたところ「素晴らしい逸材だ」といたく感激し、
早速電話で彼女を売り出す話をしていた、そこまではいいが 私がパソ
コンに向っていると後ろからチュパチュパと音がする 「ユキコ行儀よ
くしなさい」と、注意しようと振り向いたらなんとユキコが胸を肌蹴て
吸われている! 裸の場面を見慣れている私でもこの時ばかりはどうか
と思い唖然とした・・・。こんな男に私の門下生を預けられるかという
気持ちと、でも芸能界はそんな世界だから身をもって世間を知り世間を
渡ってみろという気持ちとが交錯した。ユキコにしてみれば身内以外の
人間で初めて自分の歌を理解した人間に、体を提供してまで売り込みた
いのかもしれない、でもそんな事をすれば尻軽女として弄ばれる それ
とも3日前から生理になった彼女にフェラチオばかりさせていた私に対
する当て付けなのか。 どちらにしても私にはあまり微笑ましい光景で
はない、もしわたしが怒り二人を叱咤したらどうなるというのだ?ただ
ですまされる行為ではないだろう「酒に酔った」じゃすまされない。
ただ私はユキコさえ楽しければそれでいいと思っているから、ここは彼
女に任せようと思い、「二人で風呂にでも入っておいで」と声をかけ
静かになった部屋でパソコンに向って日記を書いている。きっと風呂で
二人は楽しくヤッてるんだろう、考えてもみればユキコの母親が私に彼
女を預けるときも、こんな心境だったのじゃないだろうか?
一人の女の身を案じ、厳しい保護者となって行動を束縛するよりも、私
は「失敗してもいいから好きにやってみろ」と言える理解者になりたい。
今までも私の門下生は全てそうやって私の元を去って行った。それは寂
しくもあるが私の望むところである、新しい未来を自分の意思で選べる
ようになるまでは養ってやるが、その先はお前達の自由だ。
かよ、みき、まりん、さやか、ささみ、そしてユキコ・・・私はお前達
の成功を心から祈っているぞ。AM2時20分