思い込み

アウシュビッツの記録をNHKでやっている 悲惨な話だ。
あの記録を見て私が思うのは、人にとって「思い込み」が、いかに危険で
あるかという事だった。ドイツ一国の権力者ヒトラーの「思い込み」によ
り大量殺戮が行われたのが明白であるからだ、そして部下たちもその思い
込みに沿った洗脳をされており、当時のドイツ国そのものが思い込んでい
たのだろう、自分達は正しいのだと。 日本も当時はそうだった、大日本
帝国軍は神軍であるから負ける筈は無いと、思い込み戦っていたが それ
こそが第一の敗因ではなかろうか。人間は愚かな生き物である 一度思い
込んでしまうと余程の事が無い限り目が覚めない、常に自分の考えが正し
いか誤っているのか、それとも世間が思い込んでいるだけなのか反復しな
くてはならないのに、その場の雰囲気や感情に流されてしまう者が多い。
「今までこうだったから、これからもそうなるだろう」と、思い込む事が
危険である事に気付かないのだ。 これは何事にも当てはまるだろう、商
売でも人間関係でも教育でも。そうだ最近気付いたのだが、私は現代の教
育に問題があり子供たちの精神レベルが下がっていると思い込んでいたが
実はその逆ではなかろうか?という事。子供たちの方が大人になりたくな
いと思っているのではないだろうか?私の育った時代は、皆大人に憧れた
し早く大人になりたいと思っていた、背伸びをしてまで大人っぽく振るま
いたいと思っていたものだ だから我々が現代の若者や子供たちを見ると
あまりに子供すぎて将来を心配してしまうが、実は現代の子供たちは大人
になりたくない いつまでも子供でいたいと思っているのでは?そして身
なりや喋り方で知らず知らずのうちにそれを主張しているのではないだろ
うか?そうであるなら我々大人は反省しなくてはならない、当然子供たち
は大人をみて「あんなふうにはなりたくない」と思われたからに違いない
からである。人の上に立ち導いていくのは難しい、一国でさえ過ちを犯す
のに個人が過ちを犯さぬはずが無い、私などはこれまた失敗の連続であり
日々反省の毎日である。私は失敗した時は必ず「虚心坦懐」という言葉を
思い出し励みにしている、言うは易し・・・というけれど、この言葉が唯
一救いとなる時もしばしばあるものだ。
《虚心坦懐》わだかまりの無い素直な心 PM11時50分