迫り来る時間

AM3時 また眠れそうもない。
寒くなってくると鬱っぽくなるのだろうか、体調が悪い。
鬱病経験者の私は、それとなく嫌な予感がする
やめたはずの睡眠剤類を最近また飲みだした、いけない。
あれを飲むと記憶がブッ飛んでしまったり長時間眠ってしまう。
「自分は病気になんか負けないんだ」と思う気持ちが鬱には、
良くない事だと聞くが、私は負けたくないと思っている。
少し手を広げ過ぎたのかもしれない、自分の許容量をオーバーす
ると反動で鬱になるとも言われている。
一番怖いのが、あの薬を飲むと 例の呼吸困難の症状になる、昨日
そうだったシャワーに入っていたらいきなり死にかけた、やっぱりこの
季節は恐ろしい、今年は大丈夫だと安心していたのがまずかった。
私は撮影にあたり女に対する配慮は勿論の事、受けているクライアント
の意向に沿った作風に仕上げる義務がある つまり通り一遍の作風では
ない、私が監督になった当初リリースしていた頃は、ただの鬼畜男であ
ったが、ここ最近の作品でようやくそうではない事も理解されつつある
と思っている。私は今後も違う沖本を、今までにない作品を、生みだし
ていく予定である、最終的には私は画面に登場せず沖本2号、3号が演
じていればいい、「写楽の作者」のように誰が作ったのか判らない、だ
がたぶん「あの監督の作品だろう」と思われるようになりたい そのよ
うに変幻自在であり、オリジナリーのあるカラーを目指している。「ナ
ンバーワンではなく、オンリーワン」になりたいのだ、だから今更手を
抜けない 前進あるのみなのだ。斬新なアイデアも必須条件だ、例えば
強烈なサド監督で、M役を演じた人間はAV界に今までいただろうか?
ニューハーフに犯されたサド監督なんかいなかっただろう、これも私の
実行の一つの証明なのだ。 「人がやらない事をトライしろ」と、面接
の時も私は必ず口にする、だから私も実行するのが楽しみだ。私はAV
業界以前ではけっこう人がやらない事をやって来た、そして今度はAV
界を少しでも変えたいと思っている、いや必ずやる。その為には実行だ、
そして「次はどんな作品?」と期待されるようにならなくては意味がな
い それが企画というものだからだ。先ずは有言実行とアイデア、感動
物はその後でいい。 こう考えると寝てる暇などなくても丁度いいのか
もしれないが、体がもつかどうかだ 時間との戦いになりそうだ。