フリーマーケット

埼玉の蕨市錦町にあるイトーヨーカドー敷地内にて開かれたフリーマ−ケット
に参加した。参加者は予め登録をし参加費(2500円)を主催者に払い、当
日 割り当てられた区画内で自分の売りたい物を販売できる、ただし品種は認
められた種のみに限られ飲食物や医薬品等は許可されない 普段家庭で使用し
ているような雑貨や衣料品が主である。
今回参加したのは50組ほどで、さほど大きなマーケットではなかった。若い
夫婦が多く、子供服やオモチャ類が多く出品されている中で、私のいる販売所
だけは異色であった、私の母が主に家にある不用品を出品したので他のところ
が子供向けの品であるのに対し、年配者向けの品であったからだ。品物の中に
は、古ぼけた電気スタンドやアイロン台まであり、「こんなの売れんの?」と
聞いても「欲しい人がいれば買ってくでしょ」と、母は余裕の笑顔。私はいく
らなんでも昭和の苦学生相手じゃないんだから売れるわけないと思っていた、
朝の早から起こされて車で運んだんだ、面白そうだから来てみて何を売るかと
思えば年配者向けの古着や日用雑貨・・・もう寒いし車の中で寝てようかと思
っていた。ところがビックリ!マーケットの開始時間の前から客は私達のところ
しか足を止めないのだ、さっそくタオルセットや壺に買い手がつき、主催者に
「時間がくるまでは売らないで下さい」と注意され客が離れそうになったので
すかさず私は客に小声で「フリーマーケットなんだから自由だよ、あいつがい
なくなったら売るからちょっと待っててよ、今ならサービスタイムで100円
引きにしとくから」などと調子のいいことを言って商売した、そんな具合で3
時間もしないうちにメイン商品は売り切れてしまい、売れ残っていたあの電気
スタンドも若い夫婦に「今時こんな年季の入ったスタンド、買おうと思っても
買えるもんじゃないよ、フリーマーケットならではの掘り出し物だよ」と言い
売った。私は昔 弁当を街頭で売り歩く商売をしていたから売る行為には慣れ
ている、そして今日金を出した客は圧倒的に50歳以上の年配者たちだった。
なるほど商売とはこんなものかもしれない、売れ出すと自分が売れないと思っ
ていた物でも売れてしまう、巣鴨が賑わうのも頷ける、これからの日本 巣鴨
のようなマーケットは増え続けるだろう、私はこれからの商売に確信的な手応え
を感じた一日であった。