正当な理由

台風がちかい、明日釣りに行こうと思っていたが
中止する。
この台風で気温も下がり過ごしやすい。
今週は忙しい、良いことだ、こんなご時世に私を必要と
してくれる人がいるだけでも有難いと感謝している。
私は付き合った人間に損をさせないよう日々努力してい
る、それは男でも女でも同様である、最近うちに住み込
んでいるマリンも例外ではない、今日はマリンの就職活
動をしてきた 池袋にあるSMクラブへ明日から出勤する
。月に80万ほどの収入を見込んでいる、私も手数料と
して幾らか貰いたいところだが、私のポリシーとしてそ
のような金は受け取らないことにしている、私は女衒的
な指導はするがヒモではない。マリンに冗談で「稼ぎの
6割よこせ」といったら、「いいよ」と言っていたがど
うなることやら・・まあ時々、食事ぐらいはおごっても
らうか。
私はこの業界に骨を埋めるつもりはないし、女たちもそ
うであって欲しいと思っている、だから目標の金額や期
日を決めさせ計画的に働くよう指示をする、それで女た
ちが元の世界へ戻っていければいいと思っている、私達
の世界では多大な犠牲を強いるケースがあるからだ、例
えばマリンには夫の他に彼氏がいる、その彼氏がマリン
の仕事を知れば否定したくなるだろうが、実際は彼氏は
マリンとの環境を維持できなかったからマリンが私と出
会うことになったのだ、彼氏の気持ちになればすぐにで
も仕事を辞めるように言ってやるべきだろうが、彼女は
稼ぎたいそうだ。彼氏は「このままでは身が持たない、
池袋の監督にだけは会わないでくれ」などと言っている
らしい。闇が深ければ深いほど夜明けは近いという言葉
があるが、彼氏の場合 闇になったばかりで当分夜明け
は来ない、その時まで待てるのか、その時まで彼氏が魅
力的でいれるのかわからないが、しばらくの間は我慢す
るか諦めるよりないだろう。このような人間関係の繰り
返しを私達の世界では避けて通れない、だから逆上して
殺人なんてことも隣り合わせである。私はプロであるか
ら、そのへんの事は常に覚悟している「頼ってきた女に
稼がせてやる」この理由しか正当な理由が見当たらない
職業だからである。