雑種犬

連休の合間の今日は出勤日
5月2日から4日まで社長の別荘へお邪魔していた
誰もが一度は別荘を持ちたいと思ったことはあるだろうが
現実的に別荘を維持できるのは 限られた一部の成功者だけだ。
その別荘は山中湖を見下ろす山の中腹にあった標高が高いから
だろう街では散ってしまった桜がまだ咲いていた、このあたり
が原産なのか(ふじざくら)という桜だそうだ、赤みが強く遠目
に藤色に見える一重咲き中輪種だった。
その日は快晴で富士山もよく眺められた、湖畔には釣り船屋も多
くそれを目的とした観光客で賑わっていた。
私もくつろがせていただき、静養した。
二日目の夜だった いつものように一杯だけビールを飲み一寝入
りしていたら「出かけるよ」と声をかけられたが体が重い、不調
という訳ではなかったが無性に眠かった 普段ならありえない事
なのだが その時は留守番することを選んだ。あれは何だったの
だろうか?久しぶりにゆっくりして気が緩んだせいか、いまだに
私自身謎の行動であった。
一人で留守番していた時 考えていたのは犬のことだった 以前
社長夫婦も犬を飼っていたそうで、そういえば私も昔飼っていた
犬を思い出していた、その犬は学校に迷い込んで住み着いた犬で
子供達の給食などを食べて生きていたが、ある日職員に保健所へ
連れて行かれ処分されるところを、当時小学生だった弟が哀れに
思い嘆願された母親が引き取ってきた犬だった 私も犬は好きな
ほうでよく散歩に連れて行ったりしたものだった。
ある友人からもらった本に書いてあった文が忘れられない、その
本は「愛犬家の心得」みたいな題名だったか
【犬を飼うなら一家の一員と思って飼いなさい、あなたが大人な
 らそれ以上にあなたが子供なら新鮮な発見を犬はみせてくれま
 す、友となり忠実な家臣となり思い出を作ってくれます、そし
 て最後に犬は死ぬことにより命の尊さをあなたに教えます。】

来るシルバー時代、未曾有のぺっとブームが到来するだろうが、
如何なものだろう?最愛のペットに先立たれる老人の心労は想像
に難くない、そう考えるとペットより植物のほうがよいのではな
いか?今時点で植物のほうを選んでいる私は特にそう思う。