渇望

メイは昨日の夜に玄関から出て行ったきり帰らなかった。
朝になって玄関の外でメーメー鳴いていたので家へ入れた。
サカリがついているようで、いつもうるさい、外へ自由に遊ばせて
やるなら去勢はしなければいけないと思っている。

猫の草も発芽しはじめた、10〜15cmが食べごろだそうだ。
そういった繊維質もドライフードの中に入っていれば助かるのにな。
ペット産業に携わっている人に具申してみようかしら、そんな商品が
まだないならヒット商品になるかも。

オーバーローンという錬金術がある。
例で言えば1000万の物件に対し1500万のローンを組む方法だ。
その物件を購入すると、1500万の借金と差額の500万が現金で手
元に残り1000万相当の自宅を購入という夢のような現実に可能な話だ。
これにはカラクリがあり、1500万のローンを組むためには1000
万の物件にそれ相応の価値があるように見せかけねばならない。
一級建築士、不動産屋、労務士、融資機関などにコネがなければならな
いがコネさえあれば私のような担保価値のない人物でも可能である。
似たような話で、山梨、静岡のような別荘地を舞台に8000万の現金
を手にする方法もある。こちらは計画倒産を前提にした詐欺である。
それを生業としている土地ブローカーが作業をすすめるので、名義人は
その人の指示に従い手数料を作業完了時に支払えばいいのだ。
実際に私もそういう人と会って話を聞いている。
私のような経済状態の人には願ってもない話である。それに類似する話は
いくらでもあり、手数料も10%から30%が相場である。
では何故私がやらないか?
人を踏み台にして迷惑を掛けて、それで金を手にしても意味がないと思う
からだ。確かに生活は楽になるし家賃の代わりににローンを払えばいいと
解釈すればいい。実際にそうやっている人もいるし、何年かは安楽な生活
もできよう、だが何年後には行き詰る。それまでに収入を確保できるよう
になっていればいいのだろうが、現在そうでない人間が何故数年後にその
実現を保証できよう?ただの時間稼ぎでしかないのである。
それならば、確実性のある事業に対し助成金補助金、保証金等の制度を
行っている自治体の力を借りた方がマシだとも思う。

私は過去も現在もブラックではないし、禁治産等の対象でもない。
だからここぞという事業を見出した折にはその制度を利用するつもりだ。
現在私は仕事に於いてそのファルスを見失っている、新たなるファルスを
見つけるか如何が今後の分岐点である。物理的な問題で焦燥という煙幕が
視界を遮っているだけで、暗黒ではないことも、一条の光明が僅かではあ
るが垣間見えている事も分かっている。
私が再三に言うところの「あがき」とはファルス探しのあがきであって、
過去の栄光や現在の仕事を発展させようとしている訳ではない。もしかし
たら現在の立場の中に捜し求めるファルスが皮を被って存在しているのかも
しれないという思いで見直しているだけだ。
何故ならこの10年以上をこの業界で喰ってきたのだから、探すなら手近か
ら探した方が効率がいいと思うからである。限りなく「無い」のであれば、
シルバービジネス(葬儀屋などには絶対ある)、団塊世代へのビジネス、
趣味でもやってる園芸関係も来年からは本格的に探してみるつもりだ。

とか何だかんだ言って何年もこの業界に留まっている私の行動力のなさが
一番の敗因であることは明確に理解している。そこまで判断力を鈍らせてし
まうほど「ぬるま湯に浸かりすぎ状態」だったと言う事だ。
であるから私は人の情けや哀れみのようなものは必要としてない、むしろ
もっと厳しい状況へ追いやってくれるような、私にとって逃れる事のできな
い状況を作ってくれる「何か」を求めているのだ。
その何かを求めているのに、それが例えば冷たい言葉であったり憤慨するよ
うな出来事であると、それに耐え切れず結果として行動停止という暴挙にも
相当する鬱病特有の症状が出現してしまう。
まったく、どうにもらなない自分に呆れ返る始末である。そういう自分の消去
の方法はないものかと思案に暮れるのである。そういう自分がせめて出現しに
くくなるような絶対的なカリスマを私は求めている。

152125(124) H21 12月2日 PM5時35分