アバンチュール

盆明けと共に猛暑も去り、まるで秋の長雨のような毎日。
腰のほうはだいぶ良くなった。
ヤフーの麻雀は1676(赤マーク)までいったが、あっという
まに引きずり下ろされて現在1560(紫マーク)。

弟もシンガポールへ帰っていった。
しきりにパソコンで車のサイトで探していた、セルシオかクラウン
あたりを買うらしい。
まったく景気のいいことで羨ましい!
2週間滞在していたが、盆の最中でも忙しく仕事の人たちと会って
いた。まさに企業戦士、私とはだいぶ違う。
おかげで今回も弟と一緒に釣りに行くことは出来なかった。

妹はラオスへ入るらしい。
度々実家へ連絡してくる、かなり満喫しているようだ。
妹ももういい歳だから「最後の男探しの旅かね?」なんて弟と話して
いるがどうなんだろう?

兄のほうも順調のようだ。
昔でいう「中佐」殿だから安泰だろう。兄の子供がまた秀才で4年生
だというのに一学年上の問題集をやっている。

まぁ家族が仲良く健康であることは有り難いことではある。

私はといえば・・・
相変わらずである、自分でもよく生活しれいってると思う事がある。
仕事は新規が一件増えたが2件減った。
ボチボチやってなんとか無事に引越しと年越しをするのが関の山。
なんとも冴えない話だ。

盆前にはいろいろあったが、書くのも面倒なので一つだけ印象に残って
いる女の話でも書いておこう。

その女はスカウトマンに連れられてきた。
歳は26だったと思う、スレンダーな体で顔もまあまあ。
歌舞伎町のオッパイパブでナンバーワンを張っていたというから、それ
ほど悪くはないと想像できるだろう。
そんな女が何故ウチに来るかって?
そりゃそれなりに欠陥のある女だったからさ。
その女は深刻なアルコール中毒患者だったよ。

月に何百万と稼いだ金も、酒と悪い男にすっかり騙されてボロボロ。
ウチに来たときも、ハッキリと禁断症状と分かる震えがあった。
そんな女でも見てくれは悪くないし、私は撮影するのが仕事だ。

一仕事終わったあと聞いてみた。
何故アル中になった?
酒がそんなに好きなのか?
何故そこまで自分を傷つける?
それとも何かを忘れたいのか?
それはどんな過去なんだ?

それらの質問の答えを要約すると、どうやらその女は幼少の頃、知らない
オジサンにフェラチオをさせられ、それ以来男は怖い生き物と思っている
らしい。
「みんな嫌だった、男なんて嫌、自分も嫌い、いいとこなんて何もない」
「安心して眠りたい、でもお医者さんはお酒を飲んでいると薬もくれない」
「私キュウリだけあればいいの、ここはなんか落ち着く部屋ね」

その女は絶望的な言葉ばかり言っていた。
だからよほど放り出してやろうかと思っていたが、「キュウリだけでいい」
という言葉で、同じ言葉を言っていたささみを思い出して可愛そうになった。
(そういえばあの子もキュウリが好きだった・・・。)

だから私は同情といか懐かしさみたいな感覚になり。
「イタズラされた過去は悲しい事故だったと思う、それについては慰めの
 言葉もかけてやれない。
 だけどな、考え方を変えてみてはどうだ?
 君はそんな小さい頃から男の性の対象に思われるような魅力的な子だった
 んじゃないか? それを君は幼くして実証したんだ。
 
 どれだけ傷ついたか分からない過去を、こんな言葉ではどうにもならない
 とは思うが、生きていけば人生なかなか乙なもんだぜ。
 自分が気付かないだけで、君は人より優れている点も沢山あるんだぜ。
 オッパイパブでナンバーワンになんかなかなかなれないもんだぜ。
 自信を持てとも、男を信用しろとも言わないが、自分を責めるなとだけは
 言わせてくれ。
 俺は何もしてやれないが、ゆっくり眠りたくなったら、酒を浴びるほど飲み
 たくなったらいつでも遊びにおいで。」

その日から女は3日ほどウチに宿泊していた。
ほぼ全裸で暮らしていたので、私も年甲斐もなくやりまくった。
久しぶりにオチンチンの先が痛くなるほどヤッたが、その女は一度として
濡れることはなかった、ゴックンもしなかった。(AFはやった)

その女は言っていた。
「こんなに楽しい過ごし方をいままでしたことがなかった、また遊びに来て
 もいい?私でいい?」

4日目その女は帰っていった。
メールがきて、感謝の言葉と次回の約束も催促していた。
私が連絡するとすぐにでて、本当に喜んでいるようだった。そのとき彼女が
「パンツを履き忘れて帰ってしまったので・・・」と言ったので笑ったり、
だから私も盆明けを楽しみにしていた。盆明けにまた青春しようかなと思って
いたからだった。

しかし、それ以来メールも連絡も一度も取れてない。
やはりアル中の、ひと夏のアバンチュールだったの・・・だろうか?

121535  8月26日  PM3時40分