呼び出し

朝の10時から誰かから電話が鳴る。
久しく植栽の仕事もしていないので私は夜型に戻ってる。

何だ?こんな朝っぱらから誰だよ・・・
そう思い着信を見てみると夏美からだった。

なんでも風俗の仕事に行こうか映画に行こうか迷っているそうだ。
「お嬢様らしい呼び出し」だなと私は思った。

日当5,6千円で今月の家賃もどうしようかと思っている、その仕事
だって月に10日も入らない低所得者の私に
「シャネルの新しいお財布が欲しい」
などとふざけた事を言っている。

「貧乏人相手にふざけた女だぜ」
笑いながらそう言いつつも、私はいそいそと夏美がいる新宿へ出かける
準備をしている。

この続きは帰宅後に。

H22 2月22 AM11時35分

[女の旬]
映画アバターを観に行ってきた、私は最近涙もろくなったせいか途中で泣いた。

2年ぶりに再会した夏美は思ったほどは太くなっていなかった。
頬のあたりと下腹あたりの肉付きがよくなっていた程度で、あとちょっと
顔の毛穴が2年前より開いていた。
以前していた歯の強制器具も着脱式となっており、よく見るとその唇は以前
よりも荒れていた。
身だしなみもオシャレなままで、今日はクリスチャンブータン?だったかブルタン?
聞きなれないブランドのワインレッド色のエナメル靴を履いており、どこのブランド
か分からないが毛皮のようなファーの付いた黒いコートをまとっていた。
手にはコーチのバックとシャネルの化粧品が沢山入った巾着(ブランド名は忘れたが
7万円したとか)、そしてさっき買ったばかりという服の包みを持っていた。

一見にはどこかの令嬢風であり、イタズラっぽい目も、喋りも声も何も変わってなかった。
トルコのイスタンブールにある彼の実家はプライベートビーチがあるそうで、イスラム
は高貴な身分にあるらしい彼は、お金を他人が(上納、お布施?)よく解らないが、裕福
な暮らしができる立場にあるそうである。
イスタンブールでお姫様みたいな暮らしをするの!」なんて、ホントかどうかわからない
自慢話をするときも、意地悪そうな目つきとチラッと口元に光る強制器具が、まるでSM
に使用する強制器具を連想させる。
きっと夏美は、会話のどこやそこやに「彼氏の」「彼氏と」を連発し、私の心をくすぐって
いるのだ。私にはそれが手にとるように解る、そんな子供のようなテクニックがまた可愛い。
今までそんな自慢話みたいな事を言う相手もいなかったのだろうなと連想できるのだ。
実家を飛び出して、たちまち生活に困り、風俗店で働くも満足な収入が得られず、私に新しい
店を紹介してもらっているという女であるという事実が現実である。

体の方はといえば、小さいけど敏感な胸も、大きめなクリトリスもそのままだったが、
すっかり剃り上げてソリパンとなった事と、濡れにくくなってしまっている性器は2年の長さ
を思わされた。
ラブホのベットで裸で抱きしめた抱き心地は、以前の骨ばった感触はなく、ムチムチ感のある
現在のほうが私は好きだ。
普段客を相手にしているからだろう、私をリードする夏美の姿は様になっていた。
内容は大したことはしなかった、スキン着用にてSEXを数分。私はスキン着用が苦手なので
すぐにフェラをさせ、さっそくお得意の男をイカせる秘技講習パターンへもっていった。

ちょっと中断、今日は記念すべき数字の並びなので。

157532 H22 2月22日 PM22時22分

「女の旬2」

記念すべく数字の並びに夏美の記事を書くのも何かの因縁か?
あの宮益坂事件(http://d.hatena.ne.jp/takeshiokimoto1/20080201参照)
から約2年、数多くの女と肉体関係をもった私だが、特別
な感情を持ち続けたのは、ささみと夏美だけだった。ささみとはその後音信不通であるが、夏
美とはこうして2年ぶりに再開し、念願であった行為も果たした。
それが私の努力であったか?と問われるとそうだはない部分が大ではなかろうか?
女の気まぐれというか、タイミングというのか、これがすなわち「女の旬」であると思う。
どんなに口説いても堕ちない女は堕ちない、だけど今回のようにちょっとしたタイミングで、
女の旬である事を見逃さなければ以前のような肉体関係になる場合もあるのだ。

一方的ではあるが恋焦がれたまま音信普通になり、2年の月日が経過した後再開、既に夏美は
イスラムの男性という婚約者までいる。彼女は生活のため風俗で働いてたが、その稼ぎも思うよ
うにならなくなったので私に相談を求めてきた。
そんな彼女に私がやった事をもう少し具体的に書き足してみる。

本当に好きな特別な存在である相手と肉体関係を持つ。という行為、これはなかなかできるも
のではない。
今回の口説き文句はこうだった。
「今年はまだ誰ともやってない清い体だぜ」
「俺はまだ今年は童貞だよ」
「筆おろしは好きな子とやりたい」
「心の童貞を奪ってくれ」などだった。
どの言葉が夏美の心を捉えたのか、ただの彼女の気まぐれだったのか、それは私にも分からない。
だが実際に遅い姫始めではあったにせよ、私的には心の童貞を改めて奪ってもらえたという
快挙を成し遂げることに成功した。
それならば、お礼として男をイカせるテクの一つも伝授してやろうという気になるものだ。

彼女のフェラテクはお世辞にも上手なほうではない。
これでは本指名の客が減ってゆくのも当然の成り行きである。
そこで彼女に尋ねてみると、驚いたことに「ごっくん」の経験はプライベートでもないそうだ。
※「ごっくん」とは、口の中に出された精子を飲み込むことである。
さすが令嬢といったところか・・・。いや、よくそれで風俗をやってきたと褒めてやるべきか?
私は「ごっくん」をやるように命じた。
命じたというよりも、精子は男性ホルモンのエキスであり健康に良い、女性を磨くならどんな薬
や化粧品より生薬である精子が効く、生玉子の白身だと思って飲めばいいと勧めただけだ。
そして私を早くイカせたいなら「性感」もやれと命じた。性感とは前立腺マッサージの事だ。
男のケツの穴を舐めた経験はあるものの、指を入れたことのない彼女は恐る恐るやっていた。
私の肛門に入れた指を引き抜いて匂ってみて顔をしかめたりしていた。
慣れない手つきでケツの穴をほじくり、タマ揉みをし、片手でペニスをしごきながら口で亀頭を
フェラしながらグラインドで強弱をつけさせた。
そういうテクニックを夏美が身につけていれば、客に困るなどという事態は起きていない筈。
そのテクニックは、私が知る限りたぶん素手の女ができる最高の奉仕行為であろう。

ぎこちない夏美の動きがまた新鮮でよかった。
射精の瞬間は夏美の頭を押さえ、一滴の精子もこぼさないよう強く吸い上げさせた。

ごっくんをした後、
「お口をブクブクしてきていい?」なんて失礼な事を言うもんだから、
「ホラ、まだ終わっちゃいないぞ、チンポの根元のほうから指で押し上げるようにして残りの
精子を絞りだすんだ、それも全て舐めとれ」と、命令口調で私は言った。
彼女は素直に従った。(ここら辺もさすがに令嬢である、実によろしい)

その気になった女を導く事など容易いことなどである。
レールに乗せてしまえば、あとは進むだけである。
「ヘルスあたりで稼ぐのはたかが知れているだろう?もっと稼ぐ道もあるよ
 教えてやるから今度ウチへおいで」と、SMコースの調教を勧誘した。夏美も近いうちに私の
家に教わりに来る予定だ。

イスラムの掟ではこのような「不貞行為」は、どれ程の罪なのだろう?
イスラムの教えに熱心な彼氏君が知った日にゃ、日本の女に幻滅するだろうか?
「知らぬが仏」という言葉もあるが、これが女という生き物の本質なのだ。
女を悪く言うつもりは毛頭ない、愛するものを守ろうとする女の母性は、どんなに自分を犠牲に
してでも逞しく行動するという事だ。
これもアッラーの神のおもしべし、というやつか?

私はどうだ?
日の当たる仕事したいとか、どんな綺麗ごとを言おうとも書こうとも、好きな特別な存在な女で
さえ風俗の仕事をさせてしまえる人間なのだ。
その苦しさを理解してくれと叫んだところで、きっとその言葉は信じてもらえまい。

「沖本さんは、本当は私のことを好きじゃないんだよ。
 きっと、目の前にいるのが私だけだから好きだと言うんだわ」と、夏美は言う。
「それは違う」
と、私は返すが、
それ以上は全て言い訳に聞こえることも承知している。

じゃあ、どうしてやれば良かったのだ?!
その答えを答えられる者はいるのか?
それが「必要悪というものだ」という、漠然とした回答しかできないだろう。
もし神と呼ばれるものがあるとすれば、そこには答えがあるのかもしれないが。


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