回想

もうすぐスカウトマンが来る。

写真で見るからにはいい女。

明日はもっといい女が来る、

大手メーカーからも引き合いのあるクラス。

一般にはいい女・・・なのだろうが、

私のストライクゾーンではない。

私が好きなのは、ちょっとおとなしい

ちょっとロリ、ちょっと病的な陰のある、

そんな女がいい。

仕事だからわがまま言ってもしょうがない。

仕事があるだけマシ、

さて、そろそろ来る頃だ、

さっさと撮影を済ませて明日に備えようか。


などなど思いつつ・・・・・・・・・
が、待てど暮らせど女は来ない・・・・・
そしてやっときたのが2時間後。

しかもその女
「私、監督さんと会った事あるよ〜
 前もAVはしないって言って帰ったやんか〜」
などとのたまう。

私はすっかり忘れていたが、そういえば
一年くらい前に、そんな事もあったような記憶もチラホラ。
・・・・・・・

と言う事は、このスカウトマンは2回も撮影不可な同じ女を
連れて来たって事になる。
まったくしょうもないヤツだト二ースカウトマンは・・・・・
呆れてしまって怒るどころか笑ってしまった。

その後3人で食事をしに渋谷へ、
宮益坂を歩きながら・・・そういえば今年の2月頃は・・・
あの子とここを歩いていたな・・・
あの子何してるのかな?元気かな・・・?ナツ・・・・。

私は思い出を引きずるタイプの男だ。
目の前のトニーが連れて来た今日の女もいい女だったが、
そんな女には一切の興味もなく、
2ヶ月前から音信不通になっている、あの子の事だけを
想像しながら渋谷の店で食事をしたいた。


朝から昨日の回想をしてしまった。
さて、頭を切り替えよう、
今日は今日で、別のいい女が来る予定になっている。
さっさとヤッツケてしまおう。

その後は、昔の部下だった男が訪ねてくる。
今後の仕事の相談をしに来るのだ、
その男、私より10歳くらい年配だが、
私について来てくれる数少ない男の一人だから、
真剣な話をしようと思っている。

103812(77) 10日 AM10時45分