優しくされて

3時ごろからパチンコへ行った、先日少し儲けて気分が良かったので今回
も勇んで出陣。今回は初めからスロットコーナーで遊んだ、この時間パチ
ンコに比べスロットは人気がないのかガラガラなので容易にいい台に座る
ことができる、いい台といっても私は見分けはまったくつかない、ただ単
に列の端の方にある台が出るような気がするだけだ。
スロットをすること1時間余、7000円をつぎ込んでメダルも残り少な
くなってきた、先日儲けたから今日はダメだな〜と、諦め帰ろうかと思っ
ていたときだった。隣に座っていたヒゲのオッサンが、無言で私の目の前
に手をかざし「俺に任せてみな」とでもいうような仕草、私は素直に従い
軽く会釈をしてオッサンに任せた。するとどうだろう!オッサンはコイン
を一枚しか入れず(通常は3枚入れる)しかもたったの一回でセブンを3
枚並べたのだ、まさにプロの技このオッサンはパチプロだなと直感した。
しかもオッサンは直ぐにどこかに行ってしまい、私が大当たりのコインを
出している途中に私の肩をポンと叩き、振り向くとオッサンがコーヒーを
買って来てくれていた。その後も私がピンチになる度にオッサンは例の仕
草で手をかざし大当たりを出してくれた(5回くらいはやってくれた)。
おかげでコインが皿一杯になり私も余裕をもって遊べた。オッサンはとい
えば、箱にいっぱいコインを出している、そして不思議にもそのコインを
換金し、同じ台で千円札でコインを買いながらスロットをしている・・・
その訳は聞かなかったが何か特別な事情でもあるのだろう。或いは名のあ
るパチプロなのかもしれない、梁山泊などのパチプロは店への出入りを承
諾する代わりに、出すコイン、玉などの数を制限されていると聞いた事が
ある。
その後、オッサンはいなくなってしまったが灰皿を換えに来た店員が、
「押しましょうか?」と、応援してくれたり(勿論大当たりだった)、
閉店間際に若い兄ちゃんが、「やりましょうか?」と声をかけてくれてそ
の兄ちゃんも一発で7を並べてくれた。
スロットが、いわゆる「はいっている」という状態になれば、上達者であ
れば数枚のコインで大当たりを出せる技術がある、そしてこの技術のこと
を「目押し」という。私も一時期パチプロをしていたが、当時はパチンコ
のハネ台を専門にしていたのでスロットのことは皆目分らない。だがガラ
ガラの時間帯にいい台に座っているので、きっと私は気付かないが「はい
っている」状態で苦戦しているのだ、それをみかねた達人たちが手助けを
してくれていたのだろう。
いくら上達者であれ、話した事も助けを求めたわけでもない私に、すすん
で力を貸してくれるなんて、なんて良い人たちなんだろう!日本人が忘れ
てしまったと言われている「助け合いの精神」「押し付けの無い優しさ」
「弱きを助け」みたいな美しい心に触れる事ができたと思った。
それにしても知らない人に優しくされるなんて、こんなにも気持ちのいい
ものだったんだな・・・もう何年もこんな事はなかった。
人に優しくされると、ますます鬼畜な作品はもう作りたくないと思う。
もうヤラセでも鬼畜な撮影は、したくないのが本音だが・・そんな我がま
まは許されない状況ではある。何とかならんもんだろか、困ったもんじゃ。

48066(171)     19日 AM1時5分