ペインクリニック科 2

PM1時に撮影開始、3時には終了した。撮影など長時間を費やせばいい作
品ができるというものではない、私は集中力をあまり持続できないタイプ
だから特にそう思うのかもしれないが開始から撤収までを3時間以内に済
ませるように心がけている。
今日は撮影の後、例の首に注射をしに渋谷まで出かけた。
渋谷駅南改札を出て歩道橋を渡った先にJTBがある、そのちょっと先に
「かやまクリニック」はある。小さなビルの3階にひっそりと開業している
個人院がそうだ。知人の紹介でなければ足が向かないような町医者風なクリ
ニック、待合室には横椅子が2脚しかなくしかも受付時間はとうに過ぎてい
るのに院長は何故か外出中?ということも私を不安にさせた。ところが私た
ちが待合室で待っている間にも次々と患者が入ってくるのだ、たぶん常連な
のだろうそのことから治療の効果の程を想像し少し安心する。待つこと30
分あまり私は呼ばれ院長の前に座った。院長の「どうなさいました?」の問
いに私は知人の紹介を受けたことと、以前私も精神的な病を患い不眠の気が
あったり季節によって鬱が再発の恐れもあるが薬物治療はしたくない事、知
人によればこちらの治療が理に適っており完治させるならこちらがいいと思
った事などを正直にはなし、最後にお願いとして私は気が小さく怖がりなの
で本当は首に注射をするなんて嫌なのだが、治療の効果を体験してみたいか
ら来たのですと、付け加えた。
治療は極めて簡単なものだった、首に注射を打たれるときも麻酔を注入する
ときも針をいつ抜かれたかも分からないほどだった。殆ど無痛といっていい
だろう、ちょっと心配しすぎていた自分が恥ずかしくさえなった。
肝心の効果はというと、??先日上司が言っていたような「生まれ変わった
ような素晴らしい気分」ではなかった。風呂上りに温かい日差しの居間で転
寝をしたいような昼下がりな気分、もう少し正確にはバイアグラを少量飲ん
で血管が膨張するような目眩の寸前、でも足取りは軽いといった気分だった。
8時間経過した現在では明らかに視力が良くなった気がする。最近目が霞ん
で焦点が合わなかった目が以前のような視力に回復している。一緒に行った
ジュンの症状は、生理痛がなくなったそうだ彼女はひどい生理痛で普段は重
病人のように動けないが、今日は2日目だというのにピンピンしている。
まるで手品師セロの術をジュンにかけたが如くである、肩こりのほうはあま
り自覚できるほど効果はないそうだが、注射した直後から暫らくは半身がジ
ワーと温かかったそうだ。
2人の結果を総合すると血行の促進効果があったようだ、今回はお試し程度
の量の麻酔だったので次回は本格的な量でやってもらおう、もっといい効果
が体感できるような気がする。
治療費は初診料も含め1860円とお手軽だった。
明日は歯医者だ、前回神経を抜いているので今回は痛くないと思う。それで
も念のため麻酔をしてもらおうかとも思っている、それほど怖いのだ。
通っている歯医者の先生は優しく腕もいいので信用しているのだが、少年期
の経験がトラウマになっている。臆病者だと笑うなら笑えばいい、笑われよ
うと何されようと怖いものは怖いのだ。

27899(199)      12日AM1時5分