例えば

例えば

毎日旨いもの食って、好みの相手を抱いて、景色の良い温泉などに行っていたら、それが毎日だったらやはり飽きるんだろうな。

実際、若い頃のように女を抱きたいとは思わないし、それをするくらいなら釣りをしたり、目当ての植物を観て歩く方がよほど良い。
そして一緒に行ってくれる人がいるなら尚嬉しいと思う。

そんな趣味でも毎日がそれであったなら、やはり飽きてしまうんだろう。
だとしたら最後はどこに行き着くのだろう?
永々と沸き上がる欲は、一体いつまで俺に付きまとうのか?

ボノボという種の猿がある。
人間の言葉を理解し、また自分の意志を伝える事ができる猿。
そのボノボ
「死後の世界をどう思う?」という質問をしたそうだ。
ボノボは何と答えたと思う?
「苦労のない世界」と、答えたそうだ。

なるほど一理ある、我々は猿にも劣るほどの精神世界の渦中にあるのかもしれないな。
生きている事は素晴らしいと思っているが、もしかしたら錯覚かもしれないのでは?

時々思うことがある。
現世こそ地獄ではないか?
生まれてきた意味とは何か?
やるべき事は本当にあるのか?
欲が沸いてきてるだけでは?
その答えのない答えを求めて恋々と生きていくのか?
それとも植物の花が咲いて枯れるように自然と生きてゆけば良いのか?

俺は酔うとこんな事を考えしまう。