暦の上では春だが夜はまだ寒い。
帰宅する道すがら梅の香りに包まれる。
この道は一本道で道沿いの民家が庭に梅を植えている家が多い。
この時期に咲くから梅は花もちがいい。
闇夜にボウっと白く幻想的だ。

香りは甘く少し苦味のようなアクセントがあり、より一層春の清涼感のある、高貴なふくよかさがある。
フリージアの香りと似ている。

ロウバイといい、梅といい、早春の花は香りが良い。
首輪だけじゃ寒いだろうからコートを羽織らせてやり、背中から抱きしめてやりたくなるような、そんな優しい気持ちにさせるような香りだ。