「猛」とは名ばかり

中二になったヒロ君から連絡あり。

先週のことだった。「18禁コーナーでビデオを借りたいんやけど、歳が
ばれん方法ある?」との、妙な内容のメールがいきなり届いた。
先日携帯電話を紛失したばかりで、相手方の名前が分からない私は誰かの
間違いメール?かと思い、「何か問題でもあるの?金があればOK」と返信。
しばらくして「でも店員に身分証を見せろと言われたらどうする?」と、
メールの主から質問が続いたたので、「どちら様ですか?」と返信して初
めて中二の息子からのメールであると知る。
性に目覚めた息子からの、初めての相談だった。こちらが恥ずかしくなっ
てしまう様な初心な質問だったので笑ってしまったが、こちらも大人とし
て少しの知恵をかしてやり無事にレンタルできたようだった。
性に無知ではあるが興味旺盛な年頃だ、その年頃の子が私に正直に相談し
てきてくれた事が嬉しかった。私はやはり子供の育て方を、間違ってはい
なかったと確信した。そのままの素直な心を維持し、正しい性の知識を身
につけて欲しいと願っている。
今日も連絡があり、1時間ほど性の質問や私の体験談を話した。胸を触っ
た事もない14歳の子供には、少々刺激が強すぎた?かもしれないが、ス
ケベ話ばかりではなく話の要所に大事な話も織り交ぜたので、子供は私の
話しに聞き入っていたようだった。
とかく親子間ではタブーとされる性の相談も、幸か不幸か私のやっている
職業のおかげで私も素直に応じられる。オナニーの話になって、40過ぎ
の私が未だにオナニーをすることもあるって事を話した時は、さすがに私
も恥ずかしいものだった。
人にはいろいろな性癖があること、友達や仲間内にも偽った性体験は語ら
ぬ事、いずれ経験できるものだから焦らずに、正直に、また相手の気持ち
を考える事、度胸が必要な事もあること、などなど。
抑圧された環境で失敗し続けてきた私の、二の舞にならぬよう、息子には
鬱屈した性体験をして欲しくないあまりの、おせっかいだったかもしれな
い。或いは果敢にトライし、失敗した方が味のある経験もできるだろうが
それをさせたくないと思うのが、親心というやつなのだろう。どうやら私
は、千尋の谷に子供を突き落とせるほどのスパルタではないようだ。

56242(378)  〜7月2日    PM5時50分