高価なサバ

今日はよく寝た、起きたのがPM3時だったから15時間
眠っていた、タバコを一服して1Fに下りると母が「あら
起きたの?今日は仕事行かなくていいの?」と言いながら
夕飯の支度をしているところだった。
私は自由業だから毎日が、仕事日であり休日でもある。自分
の好きな時に好きな事ができるのは、いい事に思うだろうが
それは金がある奴の場合だけだ、私のようにこれから売り出
していく奴は毎日、瞬時を惜しんで励まなくてはならない。
今日15時間も寝れたのは、昨夜温かい風呂に入って睡眠薬
を飲んで寝たからだ、睡眠薬を飲んだのは2000ピースの
ジグソーパズルをしていたら目が冴えてしまって睡眠を摂ら
ないとまずいと思ったからだ、その少し前 PM7時ぐらい
に私は釣りから帰ってきたばかりだった、悪天候の為思った
以上に釣果が悪く高価な魚(釣れなくても交通費や船代はか
かる)を大きなクーラーボックスに入れて足どりも重く実家
へ帰った。今日の海は荒れ模様で波もあり、船頭が「今日船
から落ちた人がいて、未だ見つかってない」といったほどの
揺れだから想像もつくだろう、私達も波をかぶり雨具を装備
していたのにずぶ濡れになり、一緒に行ったF氏も私も玄界
灘の漁師よろしく揺れと寒さに奮闘しながらの釣りであった。
この様な悪天候だから船が出船するかどうかも心配だったが
そんな心配は無用であった、私達が船宿に到着した時はすで
に満席にちかい状況で、一人は船首での釣りを余儀なくされ
た。私達は前日までの釣果を知っていたので「やっぱり釣れ
る船は人気があるんですね」などと釣果を疑いもせず、私な
どは「今晩のおかずは、フグづくしだからね」と、家族に期
待をもたせていたのである。「フグは毒があるから」と言う
母にも「食べれる種類もあるんだから平気平気」と自信満々
で実家を出発したのが早朝4時30分、外は小雨が降りハァ
ーと息を吐くと白くなるような寒い朝だった。