網走湖

AM6時に起床し、最上階の露天風呂にて目を覚めさせる。北海道の朝は寒い、
風呂に入りながらも濡れた髪の毛が凍ってしまう。
宿の2階にある料亭で朝食を摂り、8時出発のバスになんとか間に合い出発。
バスは一時間ほどで摩周湖へ到着、「霧の摩周湖」とはいかなかったが、全面
凍結した摩周湖も阿寒湖と同じく白い平原だったが、こちらは高地であったの
で、蝦夷松や白樺の木に樹氷ができており、それが日の光に反射してとても美
しかった。摩周湖を後にしたバスは、硫黄山を経由して網走へ向かうのだが、私
はまだ腰が治ってないので痛い、一時間以上も揺られているとバスガイドの話も
聞きたくなくなる、ガイドがアイヌ語で「カムイ〜・・・」と、おまじないの言
葉を言っている、日本語に訳すと「どうか神様、私の願いを聞いて下さい」とい
う意味らしいので、私も心の中で「どうか腰が治りますように、今はガイドの説
明もうるさい、静かになりたい」と、「カムイ〜・・・」を唱えたところ、願い
が叶ったのか急にガイドは体調を崩し、運転手に何やらボソボソと喋っていたが
、進行方向を向いて座ってしまいそれきり説明は一度もなかった。後になって
運転手から、ガイドが体調を崩したので、本日は車内での観光案内を出来ずに申
し訳ないとの旨の説明があったが、私は妙な偶然だなと不信に思った。まさか
心の中で唱えた「カムイ〜」のアイヌ呪文の御利益ではないにしても、私はガイド
に対して「うるせえな、黙っててくれよ」と、心の中で念を飛ばしていたからだ。
妙な偶然というか、念を飛ばすような事は 今までにも何回かある。だから現代
の科学で証明できない何かの存在は信じている。それを体験した事のある者は私
だけではない筈だ。今回のは私の念だったのか、アイヌの呪文だったのか?普通
に考えれば「ガイドの車酔い」だろうが、「車酔い」をしたガイドを見たことが
あるだろうか?私は子供の頃からの遠足を含めても、そんなガイドを見たのは
今日が初めてだった。
それからバスは、一時間あまり無言のガイドを乗せたまま網走へ向かった。
そこで私達家族は下車し、昼飯は地元の有名すし店へ行った。私が食したのは
「ウニ丼」であり、実はこの「ウニ丼」を食べるのが私の一番の希望だったのだ、
私は若い頃、すし店に勤めていたから食べる機会など、いくらでもあったが北海
道の「ウニ丼」を食べようと20歳の頃から思っており、今まで一度も食した事
はなかった。今日は念願叶って初めて「ウニ丼」なるものを食した、美味だった。
一方、今回の旅の第一目標は流氷を見ることだったが、あいにく風向きが悪く、
海も荒れているそうなので遊覧船は欠航となり、流氷は明日以降に持ち越しとな
った。積雪の上に降り積もった深雪が、突風に巻き上げられ雪煙となる、凄まじい
寒さである、この天候ではとても流氷遊覧船どころではないと思っていたが、観光
案内の人によると、「流氷が風で押し戻されているんですよ、南風ですから」と、
平気な顔で言うのだ ところ変われば何とやら 北海道は凄い、これが南風だとは。
仕方ないので、網走監獄を見に行くことにした。タクシーの運転手に「網走刑務所
へお願いします」と言うと、「はい、刑務所ですね、本当の刑務所ですね」という
返事だ、あやうく受刑者の接見と間違われそうになった。網走には「網走監獄」と
いうS59年まで実用されていた観光名所と、「網走刑務所」との2箇所がある、
それにしてもタクシーの運転手!私が本当の網走刑務所に用事のあるような人間の
顔には見えないだろう!!まったく失礼な運転手だ。
宿は網走湖畔にある「ホテル網走湖荘」まあまあの宿だ、ここで妹が熱を出してし
まい寝込んでしまった、部屋でオリンピックを見るのも気の毒なので、私はロビー
脇のパソコンを借りて、延々と今日の出来事を書いている訳だ。
明日も早い時間に起床するので、そろそろ部屋に帰って寝よう。
43409                        PM11時25分