寝起きの一服

喫煙をしない私にはよく分からない話だが、ある友人からの相談だったので書いておく。

就寝前に彼は必ず枕元の灰皿をきれいに掃除する。
几帳面な性格の彼らしい、寝てる時に灰皿をひっくり返した事でもあるのだろうか?
吸い殻を放置しておくと部屋がたばこ臭くなると思うからだろうか?

彼は決してぽい捨てはしない。
路上で喫煙をして灰皿がなくても、吸殻は必ず持ち帰るというマナーを守っている。
社会的に真面目とは言い難いが、自分の決めたルールに忠実というかウソをつけないタイプというか、独特な自分の世界観をもった男だと思う。
そんな彼が先日泊まりにきた折りの相談だった。

「寝起きの一服ってうまいんだよ、沖ちゃん吸わないから分からんかもだけんど、食後、コキ後、寝起きってのは三大喫煙時間なんよ」

彼はどこかの方言混じりのしゃべり方をする。

「してよ、最近おかしな事あってさ、寝起きの一服をしたのを全く覚えてないんや。
記憶にないんだよ、たった数分前の事だぜ、だからよ灰皿をきれいにしておいて寝起きに吸ったのかどうか確認してるんよ」

彼はそう切り出してきた。
痴呆やアルツハイマーのような、記憶傷害の病気になる前兆ではないかと彼は懸念しているのだ。

歳をとると体の不調の話が多くなり嫌になる。

そういえば別の奴も同じような事を言ってたな。
そいつもブログのようなものを書くが、忘れないようにだと言ってたな。
何を忘れられるというのた?

二人とも私より若いくせに!