えっ?!

コンビニへ弁当を買いに出掛けた、いつもメイは留守番だが今日は何故か
一緒に連れて行こうと思った。
首輪にリードをつけ、いつものお散歩スタイルで、そのまま自転車のカゴ
に乗せてコンビニへ。
雨がポツポツと降っていて「今年の夏はヘンだな〜」と、思いながら。

コンビニの駐輪場に自転車を置き、メイもそのままカゴの中。
いつもコンビニには10分もいない、だけど今日に限って商品棚のネコ缶が
目に付いた。
贅沢なエサを与えるとドライフードは食べなくなると聞いていたので、今まで
ネコ缶は買った事がなかった。
でもまぁたまには特別な日もあっていいだろうと、一つ選び買い物カゴへ。
お惣菜コーナーにはホッケと秋刀魚の塩焼きがあり、これまたたまには焼き魚
でも食べさせてみようか?いやいや塩焼きだから塩分がダメだったな・・とか。

なんやかんや、それでも10分くらいで買い物を済ませてコンビニを出た。
そして自転車のところへ行ってみたら・・・!!
なんと、メイはそこにはいなかった。
いつかみたいに首輪が外れていた。

通りに面したコンビニで車の出入りは激しいほう、たぶんそのライトに驚いて
飛び出してしまったのだろう。
しばらく辺りを探したがメイはどこにもいない、戻ってくるだろうとは思うが
とても心配。
今日のコンビ二はお散歩コースからも外れておりメイは初めていく場所。
とってもとっても凄く心配。
もう一度探しに行ってみよう。
これがメイとの別れ?じゃないと思うが私も初めてなんで動揺してる。

145687   24日 PM9時5分

どこを探しても見つからず焦った。
はぐれたコンビニや、お散歩の公園を何度も往復した。
公園でアベックが抱き合っていると、もしやメイを抱っこして遊んでいるのでは?
と覗き込む、近辺の家の庭や駐車している車の下も。
私は心配で必死なのだが、小雨交じりの夜に黒いネコを探すのは難しい。
そして端から見るそんな私の姿は、挙動不審のそれである。
途中で短パンのチャックが全開であることに気付く、池袋に住んでいた頃はよく
職務質問をされたものだったが、今回は田舎で助かった夏はノーパンなのだ。

かれこれ2時間が過ぎただろうか、もう仕方ないから明るくなるまで待とうでも最後
にもう一度だけコンビニへ探しに行こうと思い行った。

するとコンビニと民家の間の細い路地を横切る黒い影が!
メイだ!
やっと見つけた!!
もう嬉しくて泣きそうになりそうだった。
しかしメイのほうは平然とというより、むしろ私に会いたくなかったような仕草。
呼んでも来ないし、捕まえようとすると逃げて民家の門の奥へいってしまう。
そのくせ「捕まえて」って言うように寝そべってゴロゴロしながらこっちを見てる。
メイは私と家で鬼ごっこをして遊んでいるつもりで、まだ遊び足りないようなのだ。
まったく困ったものだ。

でもメイが無事だったので私も冷静さを取り戻した。
コンビニで「おいで」の練習に使ったイワシを買い、またメイのいる門へ戻った。
すると今度はメイのほうから「ミーミー」言いながら擦り寄ってくるのだ。
さっき見つけたときにそうやって欲しかったものだ・・・

家に帰るとメイにネコ缶を食べさせた。
まぁ驚くほどの勢いで食べた。

今回思ったこと、それはメイは私に懐いているのではない。懐いているなんて思う
のは人間のエゴであり、ただ単にエサをくれる相手に懐いているのだ。
ちょっと寂しい気持ちもするが、きっとそれが現実なんだろうな。ネコはネコなりに
エサを貰うために営業をするし、その姿がたまたま愛らしいだけなのだろう。
「ネコの気持ち」に感情移入しすぎてもよくないし、
「人間の気持ち」を押し付けてもいけないと、改めて勉強になった。
単純な生き物ほど教えやメッセージはストレートで強烈である、これからもメイから
習う事は多いだろう。そしてそれは人間の女にも大いに共通するところがあるだろう。

     PM11時40分