自由

ここんとこ、また体調がよくない。
もういよいよ、この業界ともお別れかな〜って思ってる。

とにかく体がだるい
コンビ二へ弁当を買いに行くのが、一日の大きなアクション。
それ以外は殆ど何もしてない状態、
おっと間違え、何もじゃなくてオナニーぐらいはする。

最近知り合った聾唖のA子、この前待ち合わせに来なかった。
待ち合わせの時間に「遅れます」と連絡があり、時間をきくと
一時間半もあとになるとのこと。
それじゃ、この時間にこれない事を一時間以上前に知ってて知らせ
なかったって事。
通常の感覚なら不誠実、だが彼女はどうやら時間的な教育をあまり
受けた事がないらしい。
聾唖などの障害者に詳しい人よると、「そうなのよ、そういった人達は
生まれてきてくれただけ、生きているってだけで感謝され、腫れ物に
触るように育てられるケースが多く、社会の常識はあまりない子が多いよ」
だから普通の物差しで考えない方がいいとの事。
私はそれは間違いだと思う。
生活保護のもと、ひっそりと生きてゆくならまだいいだろう、しかし彼ら
の一部はメディアでも障害を自慢しあったり、現に彼女もAVか風俗で働き
たいとサービス業としての社会人を志しているのだ。
それなら社会人としての当然のルールを知るべきで、実行すべきだと思う。
競争世界は甘くはない、ましてや風俗を初めサービス業は熾烈な世界だ。
それを教えて、尚その意思があるなら、理解しようと努力するなら、背中を
押してやってもいいだろうと思っている。

それにしても聾唖というだけで断る先が多い。
確かに倫理的なものもあるだろう、障害者を使えば法的に罰せられると思って
いる人も多い。
確かに現在はAV出演するためには、国が発行した顔写真付きの身分証明書の
提示が必須となっている。これは未成年者やそれに類似する資格の無い者を使用
すると、どんな理由があれその者を使用した側が重く罰せられるからだ。
類似する者とは、家出人、18、19歳、高校在学中、同級生が在学中、睡眠剤
向精神薬の常習者、麻薬使用者、そして「障害者」もそれに含まれているからで
ある。
笑ってしまうのは、障害者といってもいろんな障害者があるってこと。
(私なんかも、そういう意味では立派な身体障害者なのである。)
ここで罰せられる障害者とは、自分で判断できない知的障害者の事なのに、
障害者というだけでビビッてしまうのがこの業界の懐の浅いところだ。

「聾唖の風俗嬢」というのをご存知だろうか、著者武田氏は聾唖でありながら
横浜の風俗で当時ナンバーワンになり、その後アメリカへ渡り結婚している。
「ファイト!」という彼女の自伝を書いた本も出版されており、今度読んでみよ
うと思っている。
私はA子が彼女のようになれるよう協力したいと思っている。
だからあとはA子の運と努力次第なんだ。
ファイトA子!!エールを贈る、A子そして私自身に。

話は変わるが、麻薬といえば・・・
先月の29日には、まったく憂鬱な事件があった。
釣りにも一緒に行った、酒を飲んで食事をしたり夕飯を囲んだこともある。
まったくそんな気配さえない、いつも笑顔だった、
「最近どうしてんですか!沖本さん!」と、明るく声をかけてくれていた。
よく同じ事務所に出入りしていた2人がいたんだが、29日に羽田で捕まった。
私たちは事件のあとから2人の事をニュースで知った。
やった事はいけない、だが刑が重すぎる10年以上〜15年喰らうそうだ・・・
「ガンコロ(1キロの覚せい剤)が3つも出てきちゃまず助かるまい、初犯で7年
 じゃからな〜」と、裏事情に詳しい人はそう言っていた。

「どうしてんですか沖本さん!」・・・あの元気な声が10年以上も聞けないと
思うと寂しい。
やった事は良くない事だが、そんな事をしなくちゃいけなかった事が気の毒。
私もあまり人の事を言えたもんじゃないが・・・

彼らはこの先10年以上も自由を奪われるのだ、可愛そうだ。
その点私は自由だ、それならせめて10年後に温かく迎えてやれるような人間になって
いてやりたいもんんだ。
だから、体がだるいとか、ロクな仕事がないなんて
贅沢言ってる場合じゃないんだよ本当は!!
少なくとも、私には自由があるんだ、それをもっと実感しなきゃいけないよな。

142187   H21 6月13日 AM0時40分