春の戦慄

ロイヤルに顔を出した、仕事はしていないがこれからもロイヤルの皆さ
んとは いいお付き合いをしていきたい。
会社に行ったら社長が、「これ見てよ」と、携帯のシャメールを見せて
くれた。50cmはあろうかと思われる大きさの「真鯛」だった。
もう少し暖かくなったら私もご一緒させていただく予定だ、休日以外が
都合がいいようなので、それまでに電動リールを購入しておこう。
私の師の一人に興行関係に顔の広い人がいる、生前、石原裕次郎
あの力道山との交流があり、アントニオ猪木などはその人の子分格であ
るから驚く。タッキー(滝沢)や坂口などの人気俳優もよく遊びに来て
いる。私はその人のことを「会長」と呼んでいるが、会長は言うなれば
「昭和の番長」みたいな人であり、見返りを求めない気質があり面倒見
がよくて話も面白い、面白いと言っても感心させられる話ばかりで私な
どは、「ハハァーそうでございますか」が、一番多い返事である。
先日、用事があり会長と話をしていると「あの子は元気にしてるか?」
と、ささみの事を聞いてきたので、ささみはAV業界を卒業して今は
介護の仕事をしており彼氏もできた事を告げると、「たまには連れて来
い」と、言われたので 私もこれはいいきっかけが出来たと思い、早速
ささみに連絡してみた(私は滅多に自分からは女に連絡をしない)
電話に出たささみは、相変わらずトロそうな声だったが私には可愛くて
しかたがない。「どう?元気にしてんのか?介護の仕事どうなの?」と
聞くと、以外にも「今は何もしてないの」という返事だった。私は正直
チャンスだと思った、介護の仕事に挫折して職を失っているかと思った
からだ、彼氏とも別れたのだろうから もう一度私が面倒をみてやろう
、本音はささみともう一度同棲出来るのではないか?と思ったからだ。
そして「どうしたの?何してんの?」と聞いた後のささみの返事は、
「私、妊娠したの まだ実感ないんだけど」という、ショッキングな
言葉だった。私は思わず声を失った。介護で知り合った彼氏との子供だ
そうだ。私は「そういう人なら優しいから大丈夫だね」と、以前メール
で書いたような事しか言えず、ついに「おめでとう」の一言が言えずに
電話を切った。私は今でもささみの事が好きなのだ。
先日も東京スポーツの取材で、ささみの話が出て その後あいつはどう
いてるのかな?と思っていたが、「妊娠」をあいつの口から聞いた時、
「俺の子供を産んで欲しかった」と、心から思った。俺は今でもあいつ
を愛している、成就できない愛であるが一方的ではあるが愛している。
俺は甘い、トロい、後になって後悔する、いつもこうだ。愛する女に心
からの祝福も出来ぬ男だ。この残儀な気持ちはそう簡単には晴れないだ
ろう、この苦しい気持ちが俺を支配するのを食い止めるには行動だ。
行動しかないんだ。
明日から仕事モードに切り替えるぞ、中断していたスカウトマン達に
召集をかけやる!売り先も何も決まってないから、女にはちょっと辛
い撮影になるかもしれないが・・・
でもいいんだ、俺には分かっている、こういう時期の撮影ほど「私ら
しい」作品が撮れるって事を。
撮り続けてやろう、ささみ以上の「俺だけの女」に出会うまで。

45039 (81)          10日AM0時35分