心休まるひと時

ユキコがコンビニのバイトを終えて帰って来た、一日3時間だけのバイトである。
今回は、うまく続けられそうな雰囲気だ、彼女は帰ってくるとすぐに今度は実家の友
人に会いに行くと、身支度をしている。もうまったく普通の子だ。
私はシャワーを浴びて今日の予定を考えたが、特に何もない 昨日、師から連絡があ
って「たまには会社に顔をだしなよ、待ってるから」と、言われたので行ってみよう
と思っているぐらいだ。
腰はまだ完治しない、日常の動作に支障はないが前屈みになるとやはり痛い。
それと謎の難聴がまた復活してしまった、今度も左耳に水が入った様な違和感があり、
水の中に潜っている時のような鈍い音がする。今年に入ってから体調が快調にならな
い日が続き、気分も憂鬱だ。
シャワーから上がると、電気カーペットの上に下着類が暖められている、風呂上りに
私が寒くないようにと、いつもユキコが気を使ってくれるのだ、腰を痛める前からも
そうだったが、腰を痛めてからは自分で靴下を履いてない、いつもユキコが履かせて
くれるので甘えているのだ。靴下ばかりではなく下着も上着も全部着替えさせてくれ
る、私が「俺って老人みたいだろ」と言うと、「ううん、どっちかと言えば赤ちゃん
みたい、自分じゃ何にもしないから」と、ユキは笑っている。 私は両極端な性格を
持ち合わせており、一日中ゴロゴロしていて何もしないで赤ちゃんの様に世話をして
もらう日がある、それこそ私は何もしない。彼女が仕事から帰ってくるまで食事もせ
ずに寝ており、タバコだけを吸って待っている、彼女が帰ってきたら「腹へった」と
か「小便」と言って、便所まで連れて行ってもらうのだ。私の世話をするユキコは大
変だろうが、私にとっては「休日の快楽」であり心を開放できる時でもある。
普段、難しく考えてしまっているから、その反動でこの様な精神作用が起きるのでは
ないかと自分では思っているが、世間ではこの様なプレーを「幼児プレー」と呼び、
そのようなサービスを売り物とした専門店まであると聞いた事がある。
いつまでもはユキコに甘えていられないので、こうやってパソコンに向かい、現実の
自分に戻る訳だが 気分は憂鬱である。
そういえばユキコが、「ホームヘルパーの仕事がしたい」と言っていた。彼女なら向い
ているのではないだろうか? これから老人の多い時代になるのだしヘルパーの資格
を取得させてやれば、食いっ逸れはないだろう。裸になれる子は献身的な心の持ち主
が多いから それも良いのではないかと思っている。
43899                        PM3時10分