柿食えば鐘がなるなり

昨日の夜から降り出した雪が、雨に変わり所々に解け残っている。
こんな寒い日は外に出るのも おっくうなので事務所にて今後の作品
と、将来の構想を考えている。
そういえば、ささみの荷物をF店にあった荷物と共に送ってやった。
大きなダンボール箱3つ分もあった、昨日ささみに事務所の合鍵を早く
送れとメールしたら「それがなくしちゃったみたいで」との返信だ、
「ごめんなさい」の一言もないんだ・・・子供というか足りないのか。
私がメールで「う〜ん困ったね、大事な事でしょ 言いにくい事こそ、
言える勇気を持つようにして下さい、荷物は送りますので、鍵が出てき
たら連絡下さい。」と返信したら、ささみからの返信は3時間も経って
「うん、わかった ありがとう」だった。
同じ様な事を他者がすれば、非常識な人間として見てしまうが、ささみ
は私にとって特別な存在なので違う。本当は傍において常識を教えなが
ら面倒をみてやりたいのだが、姉の家に居候し彼氏もできたのだから、
ささみにとっては幸せなのだろう。
(ささみの姉は結婚し、去年子供が生まれたそうだから大変だろうが)
ささみの姉といえば、面白い話があるので書いておこう。
まだ私がプロダクションをしていた頃の話だ。 ささみを連れてメーカー
への面接廻りをしていた、面接廻りとはメーカーのキャスティング担当
の者を訪ね、直接に仕事の依頼をお願いする事である。面接では、どの
メーカーでも面接用紙を出され、その用紙に家族構成、志望動機、特技
などをモデル本人に記入させる、それを見ながら面接官はモデルと話を
するのである。
面接は進み、家族構成の話になった時だ、面接官が突然に
「あれっ?!お前んちにはカキがいるのか?」と言うのだ、
「カキの木は庭にあるけど、秋にならないと食べられないよ」と、答える
ささみに、「だってほら、ここに 父 母 柿 私 弟って」・・(笑)
解るだろうか?ささみは「姉」と「柿」を書き間違えていたのだ。
もちろん面接場は大爆笑!ささみは赤く小さくなっていた、私もゲラゲラ
笑ってしまったが、すかさずフォローした
「いや参りました、家族に柿がいるとは知りませんでした、でもね、
 こういう子なんですよ、体のほうは大人なんですけどね〜柿は秋かもし
 れませんが、この子は今が熟れ頃、食べごろですよ。」ってね。
そのトークが良かったかどうかは知らないが、面接は見事にパスし仕事
を貰った。  そして次回の面接の時は、わざと「柿」と書き間違えろと、
指示をしたが ささみが二度と書き間違える事はなかった。
今となっては懐かしい思い出である、きっと私は、秋に柿を食べる度に、
この事を思い出すのだろう。
今日送った荷物の中にも、手紙とお金を入れておいた リズリサの服か
ティーのぬいぐるみか、生活費か、彼氏とのデート代なのか・・・
何に使うか分らないけど、せめて私の事を忘れないでいて欲しいものだ。
                         PM4時15分