ワイングラス

またまた今日も別のスカウトマンからドタキャンのメール、昨日の
スカウトマンと同じように処する。困ったもんだ、まったく。
喜んだのはユキコだった「ねーねーじゃー今からデートしようよ〜」と、
しつこく誘うので駅前のデパートへ買い物へ出かけた 私は人ごみが苦
手だ、化粧品や洋服を何時間も連れ回されてもうへとへと 財布の中身
もスッカラカンになってしまった、私の事務所は電波が悪いので電波を
キャッチするアイテムを買おうと思っていたのに買いそびれてしまった。
PM6時頃、事務所に帰るとユキの携帯にメール ユキのメル友「まさ」
からだった。「まさ」は20代中ごろの最低の遊び人だそうだ、サドの
気もあるらしく、「まさ」と遊んだユキのアソコは内出血して腫れ上がり
痛いたしかった。ユキも「まさ」を嫌っているらしいが、断りきれずに
いる間柄のようだった。今回もメールの内容は「オジサンとまだやってる
の?」だった。ユキコが私に相談して来たので、それなら返信文章を考え
てやるからその通りに書きなと指示。
「お久〜そのオジサンAV監督で、元極道なのね アンタこの前私に今度
 は、マワシてやる って言ってたけど もうメールしない方がいいと
 思うよ。オジサンはアンタのことホモビデオに出演させてやろうかって
 言ってるし どうする?」
この様に返信させた。ユキは、はしゃいで喜びながらメールをしていた。
これで「まさ」が返信を返してくるなら性根のある奴だろうが、たぶんも
う来ないだろう、だいたいメル友だったりする奴は臆病な奴が多い、私の
門下生を勝手にオモチャにするとはけしからん、少々脅してやったのだ。
ただユキコを一方的に高飛車にしておくつもりはない、女は少し知恵を
貸してやるとその気になって つけあがる癖があるからだ。
「おいユキ、俺は昔 女の立ちションを撮ってたんだ、そしてションベン
 をこぼさない様にグラスにさせていたんだ お前が今ワインを飲んでる
 そのグラスがそうだ」 ユキコはブッと噴出し、「なんで教えてくれな
 いの〜」と怒り顔だったので 「ここは俺の城だ、俺しか知らない地雷
 があちこちに仕掛けてある、お前がくだらん男遊びをしたり、そのメー
 ルを俺に見せ付けたりするからだ。もっと自分を大事にしなきゃいかん
 だろうが、違うか?」そう言うとユキコは「はいパパの言う通りです」
と、素直に頷き 怒り顔が笑顔になった。 
この世の中は理屈ではない事が多い。 《 馬鹿じゃできぬ、利口じゃ
できぬ、中途半端じゃもっとできねえ 》という言葉もある、私はその子
が素直でありさえすれば、世話する価値があると思っている。PM10時