白波と旭日

近年稀に見る大寒波もようやくおさまり平年の気候に戻るようだ。
大寒波の割りに東京の降雪は少なかった、本来これからが冬本番だか
らな。去年の12月18日に釣りに行ったっきり暫くご無沙汰してい
る、この時期が一番魚が旨いから今月中でも時間があったら行ってみ
よう。私がよく狙う「メジナ」という魚はこの時期「寒メジナ」とい
い鯛よりも美味であると思う 関西では「グレ」と呼ばれ珍重されて
いるそうだが、何故か関東の伊豆あたりの地元民には人気がない、色
が黒っぽいからだろうか、それとも誰にでも釣れるから珍しくないか
らだろうか、地元の漁師たちは「メジナなんか臭くて食えねえ」と、
捨ててしまうのだ。だからであろうか良場とされる 良い釣り場に地
元民の姿は殆ど無い、遠くから車で来る釣り師が多い、平日ともなれ
ばどんな釣り場でも貸切状態なので私には助かっている。
価値のあるものでも安易に入手できると、その価値を見出せなくなる
のだろう 人間とは贅沢な生き物であるという証明の一つだ。
現代の日本には、このように贅沢病に悩まされている人が多い、精神
病はその最たるものだろう、私自身病に犯され未だ完治してないので
解るのだが、究極の状態を体験すれば今の状態のなんと健康な事だろ
う、健康でも仕事でも最悪の状態が何時までもは続かない何時かは必
ず回復する事を私は信じている。
「闇が深ければ深いほど夜明けは近い」というものだ。私は釣りをす
るから夜明け前の早朝に出かけることがよくある、だから体感してい
るのだ、病に犯されたと気付いたら病院の得体の知れぬ薬や、他人事
と思っている医者のまやかしの言葉など信じずに、夜明けを見に行け
ばいい、そこに嘘はない。旭日を浴びれば少しずつではあるが必ず良
くなっていく。これは私の実体験でもある、数年前私は3日と空けず
海へ行っていた、死に場所を求めて波を眺めながら、釣れなくても行
っていた。だけど今から考えると、あの行動は死に場所を求めて彷徨
っていたのではなく 生きる為の治療法だったのではないだろうか?
誰に教えられた訳でもないが、寒風に当たりながら旭日を浴びるとい
う治療法は私にとって功を奏した、きっと本能が求めた自然療法だっ
たのだろう。地上の生物のルーツは全て海にある、どんなに科学や医
学が進歩しても生命の基本は変わらないのだから。 PM2時ジャスト