暗黒の街

「萌え」だってよ!馬鹿じゃねえの?オタクとかメイドとか最近やたら
と聞くが、くだらな過ぎて疲れる。
西川口の駅前のソープ街を歩いていたら店前に立っているボーイが声を
掛ける、「すぐ入れますよ、どうですか?」だってよ。誰に向って言っ
てやがんだと思う。すぐに入れるって事は、客の無いお茶っぴき(暇)
な女がいるって事だろ、呼び込みのキャッチトークも考えもんだな。
私は仕事で女を口説くし抱く、あくまで仕事での行為であり真剣勝負だ
だからスリルがあり刺激的なのだ、だが回を重ねるとそれも飽きてくる
ものだ、人間なんてそんなもんじゃないだろうか?私は元々SEXをそれほ
ど好まない、SEX行為よりもそれ以前のプロセスに興味を曳かれる、そし
て女がどのように変化してゆくか、自分の手でどこまで育てられるかが
醍醐味なのだ。故に女を金で買おうという発想はない、女が金に困って
いるから仕事を与えているだけだ、または金で割り切るという口実を女
に与えているだけだ。
実家は蕨市であり、西川口蕨駅の中間にある 駅前のソープ街を通ら
ないとならないから通行しているだけだ。
別の店員が「社長!姫始めはどうですか」だってよ。馬鹿にしてんじゃ
なかろうか?俺がそんなにモテない男に見えるのだろうか?今日何日だと
思っているんだ?呆れたが睨んでやったら店員は目を逸らした。
今度からここを歩くときは、面倒くさいが横断歩道を渡って反対側を歩く
ようにしよう。何年も前に他界した祖父と当時の弟の 面白い話がある、
ちょうどこの辺を歩いていたのだろう、当時はトルコといわれていた。
幼い弟は派手な町並みに興味を抱いたのだろう「この建物は何の店?」と
祖父に聞いたらしい、祖父は「風呂だ」と、答えたそうだ。そんな会話を
思い出し私は、フッと心の中で笑いながら歩きすぎ駅へ向った。
駅は休日の最終日でいつもより混雑していた、私は人ごみが苦手 めまい
がする、嫌いな街へ向う時はいつもイライラする 私はいつになったら本
気で脱出する気になるんだろう? この東京から。