落ち葉

実家でゆっくりと休養をした。
仕事の事も何も考えず 好きな植物いじりに没頭した、庭はもう冬の
様相を呈している、移りゆく季節とはいいものだ多くの種類の草木が
枯れゆく中、この時季に新芽を出し始める植物も多い。おなじみの球根
類は最たるものだろう(水仙、チューリップ、ヒアシンス)、近くの
道端に水仙を植えに行った、実家から歩いて3分ほどの道路端に分球し
て小さくなった球根を捨て(植え)に行くのだ 去年もそこに捨てた
球根は見事にか花を咲かせ、25メートルほどのその一帯を私たちは
水仙ロード」と名付けている。ちょうど老人ホームの目の前だし、通
り歩く人達も花を楽しんでくれている。
不思議なのは家のプランターで育てても花が咲かない小さな球根でも、
地面に植えると見事に花を咲かせる、人間が手をかける方が いい花を
咲かせそうだが球根類はそうでもないようだ。
家の隣の空き地に二階建ての家が建つ、日当たりが悪くなってしまうが
仕方ない、塀の際に植えてある梅の木を移植しなければならない 何年
か前に植えた「藤牡丹枝垂れ」という種類の梅であるが、今ではすっか
り大きくなってしまい移植できるかちょっと心配、もう暫くすれば葉も
落ち移植の適期だ。
50坪の敷地しかない実家の庭は狭い、それでも動植物たちが季節感を
演出してくれる、今年は草むしりをしていたらトカゲの卵を見つけた、
建て替えで狭くなった庭では、ここ数年トカゲの姿が見えなかったがま
た戻ってきたようだ、幼き頃 兄とトカゲを取って遊んだ遠い日を思い
出した。あの頃の夏は暑かったし、冬は寒かったような気がする。
落ち葉を掃除していると紅葉して落ちたモミジの葉に蝉の抜け殻が・・・
そうだ今年の夏は猛暑で、旅行中水がやれなくて大事な盆栽も20鉢ほ
ど枯れたんだっけ。
私は落ち葉を掃きながら、心の中で一句読む
「赤モミジ 夏のなごりか うつせみや」
小さな庭かもしれないが、私にとっては思い出の宝庫、いつの季節もそ
れなりにいい。植物鑑賞の趣味があってよかったと、小さな幸せを感じ
ている。毎日何も変わらないように見える植物だが、時季には必ず結果
をみせてくれる、そんな植物が私は好きだ。