二人の達人

F氏は麻雀の強豪である、九州地区の代表戦でも入賞
した事のある程のつわものであり、戦術にも独自の哲
学があり並みのプロなら彼に負けるだろう、簡単にい
えば普通の人は絶対に勝てない。そのF氏から麻雀の
奥義の一つを伝授して貰った、確かにどんな本や新聞
でも聞いた事のないゲームの進め方であった、試しに
遊びでF氏と数回相手をしてもらい、教えてもらった
方法でやろうとしたが、なかなか出来なかった チャ
ンスはあったのだが実践できなかったのだ、これは人
生に於いても同じではなかろうか?と思った。チャン
スがありながら尚且つ助言までありながら私はしなか
った、いや出来なかった、これが非凡と凡人の差なの
ではないだろうか、そして非凡なる才覚を僥倖する己
の卑しさこそ凡人でない確固たる凡人以下の証だ。
ましてや金など賭けたら必ずと言ってよいほど負ける
私は道理に反していないのだと納得せざるを得ない。
昨日は良い勉強をしたとF氏に感謝している。
F氏が12時近くに帰って行ったあと、例のスカウト
マンから再度連絡があった、「二人いるんですけど、
これから話だけでもどうですか?」という、私はこの
スカウトマンと暫く取引をしてなかったし、編集で体
も疲れていたので断ろうと思ったが、先ほどの反省を
思い出し逃げてはならないと、「時間差ならいいよ、
一人は説明だけして後日撮影するから、一人は泊まれ
る子にしてくれ、どちらの子を先に紹介するかはそっ
ちの都合でいいから」と、スカウトマンに任せた。
一人目はAM1時頃、二人目はAM2時頃到着した、
どちらの子も、それぞれに個性がありいい子だった、
一日に同時にこれからやっていけそうな子を紹介され
て私は運が良いと思っている、賭け事に弱い私でも仕
事や人材には恵まれると常日頃から感じている、私の
先祖はよほど善行をしたのであろうか?F氏も例のス
カウトマンも雨の中、私に福を運んで来てくれた。