台風14号

日曜日、F氏に連れて行ってもらい沖釣りをした。
F氏は私を気遣ってくれて船酔い止めの薬まで用意し
てくれて釣りもお昼までの半日船であった、おかげで
船酔いすることもなく、釣果はカサゴ2匹だったが無事
に初めての沖釣りを楽しめた、次回はキス釣りに挑戦。
帰りがけ隣の釣り人が釣れた魚をくれたので合わせて3
匹、さらに船を下りたところで船頭が「キスだけど」と
ぶっきら棒に言いながら凍り詰めになったキスの開きを
くれた、15人ほど乗り合わせていたのに私達だけに土
産を持たせるということは、私達が新顔だからだろう、
「今日はあまり釣れなかったけど、また来てくれ」とい
う意味なのだろう、口数少ない無愛想な船頭の海の男ら
しい気遣いに私達は感心した。
釣った魚とキスを土産に持ち、私は実家へ急いだ。
釣った魚を早く見せたいとか、料理して食べさせたいと
いう父母への気持ちが私は人一倍強いと思う、これは私
が家庭を持っていないせいかもしれない、こんな時 子
供や女房が待っててくれたらいいなと感じる。
飽食の日本、釣りも今ではレジャーとなり、食うための
狩猟ではないにせよ、本日の獲物を家へ持ち帰るこの気
持ちは本来のそれと、いささかも変わるものではない、
私はこの気持ちは持ち続けたいと思っている。
9月5日 台風14号が接近してきた
今日からまた仕事がはじまる、私を必要とする人がいる
かぎり私は全力を尽くす、例えそれが私生活とは全く別
の顔であろうとも。「人間は多面体である」この言葉は
私が撮影した一人の女学生から教わった、撮影中に泣き
出したその女学生は私に「もっといじめて」と哀願した
、きっといじめられている自分がいいのだろう、私にし
てみれば、いじめてるつもりでは無いのにだ。