前科者の憂鬱

いつものスカウトマンが突然連絡を絶った。
18日深夜の留守番電話着信が最後で私は今朝気付いた
朝、かけ直したときはすでに −お客様のご都合でーと
なっていた、以後連絡は無い、今日一日待ってみようと
思うが最悪の事態になってないといい。
スカウト条例が実施せれて我々の業界はおおいに迷惑を
被っている、AV業界でもSEX産業でも、その元とな
るのはスカウトが主流である、ここのところ雑誌媒体に
その傾向があり募集系雑誌が飽和状態にある、私は腕の
いいスカウトマンとの付き合いがあるから供給が可能で
あったが、その腕の良いスカウトマンと連絡がとれなく
なると不具合が生じる、条例ではスカウト行為の他に、
女を買い取った側の罰則を重くするという項目があり、
それは私のような立場にある者に適応される。
つまりスカウトマンが逮捕されていたとしよう、そして
スカウトマンの携帯電話から私の名前が出てきてスカウ
トマンが、私を取引先だと喋れば、私はスカウトマンよ
り重い罪を科せられる。単に供給が滞るだけでなく国家
権力の刃に晒される事になるのを危惧している。特に前
科者である私は初犯の人間より罪が重い、もしこの日記
が長期間にわたって更新がなされなかったら、私はもう
シャバにはいないと思って欲しい。
私の知り合いにKという男がいる、私の旧友だ。いずれ
紹介しようと思っている、Kを通して獄中日記なんて事
にならないよう願っている。
ちなみにマリンは今日も泊りに来るそうだ、そうとうな
Mだ、だが私の身になにかあったら彼女はどうなるのだ
ろう?気がかりだ、今は捕まりたくない。