日本人の忘れ物

シンガポールは赤道に位置する小さな国だ。
人口400万の内訳はその一割が他国籍者、残りの9割のうち
大半を占めるのがチャイニーズ系で少数の現地人系が含まれる。
現体制での歴史も新しく、李一族の独裁国家である、李一族は
客家の流れをくむ中国の名門でありその一派では毛沢東が有名。
国民は生活水準、教養共に高く、アジア経済における重要位置
にある。国土は狭く東京23区ほどしかないそうである 故に
国内での生産には不向きであり、産業らしいものは観光ぐらい
なものである その観光も3日もあれば廻りきってしまうほど
少ない ではどうやって経済を維持しているかといえば、近隣
諸国の窓口的立場としてマージンによる利ざやの収益である、
それは単に物資だけではなく情報も含まれる。簡単に説明する
と野党もないこの国は、無駄な話し合いや不利益な法律に縛ら
れることもなく統一された国政のもと計画的に利益を追求でき
る近未来的な都市国家なのだ。同じ独裁国家でも北朝鮮とは大
きな違いである、国民も活気があり生き生きとしている感じを
うけた 30年くらい前の日本を見ているようだった、ブラン
ド物をチラつかせることもなく質素な服装の者が多くみられた
が、その誰もの目は輝いていた また食に関して貪欲である、
これは国家を支える源なのだろう、日本もかつてはこのような
時代があったのだなと羨ましく思った。私は常に日本との比較
でみたが日本より進んでいると感じた部分が多くある、これは
いち観光客としての私と現地に在住する邦人との一致した見解
でもある、さすが華僑が多く住む国だけのことはある 彼らは
外見とはうらはらに我々日本人よりずっと裕福なのだ、そして
安泰のなか人間らしい生活を手に入れている、それは我々日本
人が求めていた事で、いつの間にか忘れてしまっていた事では
ないか?