そこを待ってる

サヴァンて知ってるかい?
ズバ抜けた特殊能力の持ち主のことだよ。

生まれつき障害を背負った自閉症の中にそういった人が多いと聞くが、健常者の中にだってそうした能力のある人はけっこういるんだよ。

能力だって色々あるからさ、それを活かす環境になかったから気付いてないだけってのが多いみたい。

類は類を呼ぶと言うだろ?あれってほんとなんだよ。
学校でもそうだったでしょ、自分の回りには自分と似たような気質な仲間がいたでしょ?兄弟よりも分かり合える仲間がいなかったかい?
それが、知らないうちに同類が集まっていたという証拠だよ。

社会にでればもっとそうなる。
偶然たまたまと思ってるかもしれないが、あなたはあなたの仲間を探す能力をあなたも知らないうちに使っていたんだよ。
だって、虫や動物にその能力があって高等生物の人類にその能力がないわけないでしょ、我々は忘れてるだけなんだよ。

さて、前置きはこのくらいにしておいて。

ある活動があるとしよう、そこには人を集めなければならないとしよう。
常人なら1ヶ月にせいぜい10人も集めるのが精一杯としよう。
ところがそいつは平気な顔して3倍も4倍も集めることができる能力を保有してるとしよう、しかもそんな常人離れした神業を毎月やっているといよう。

これはもうサヴァンの一種だろう。
きっとそいつは業種に関係なく人を集める、いわゆるスカウトをさせれば無類の力を出すタイプ。

私も今まで何人かスカウトマンという人種と付き合ってきたから分かるが、日本で1、2を争うような凄腕となると違うね、何が違うかって?ここがおもろいとこさ。
スカウトは常人より上手いのは当たり前だが、その逆に普通の人が普通にできる事がまるで出来ないのよ!
能力が偏ってるからなんだろな、だから普通はしっかり確認しないとならない点もしない。しないと言うより気にならないわけさ。
つまりスカウトをさせれば一流かもしれないがその他のことはデタラメとなる。

そうした百万人に一人もいないような能力保有者ってのは使い方がとてもデリケートだよ。

そこで話を戻そう、そんな希少な人間を何人も知ってるってことはどういう事か解るかな?

私も類の中の一人って事なんだよ。
だから私にはよく分かってる、私も幼い頃から変わり者と言われてきたからね。

私の能力は選別能力、自慢でも何でもないが私の場合は会った瞬間にその人が見分けられる。生まれてこのかたこの人はどんな人だろう?など思ったことがない、そしてその勘は未だに外れたことはない。

そして何故か私も無意識のうちに同類を探してたのかもしれない、私の回りにはそういった人が多い。

何でこの人と知り合い?と言われる事が多いのもそのせいかもね。

先日もこんな事があった。
ある著名な人物と会うことなった。普通なら望んでも気安く出会えないかもしれない人物。

その人物は自分がある業界では大物であると自負してんのね、それで会うならアゴアシよこせと言ってきたんだよ。
アゴアシってのはアゴ、足、つまり食事や交通費を出会うまえから要求してきたわけさ。

なんて図々しいと思わないか?
私は敏感に感じとったよ、そんな輩はおだてると付け上がるタイプ。軒先を貸してやると平気で土足で家の中に入り込む奴だよ。
当然そんな奴に私のテリトリーを荒らされる訳にはいかない、こちらからお断りしたって寸法よ。

それに、あんたは私を知らないだろうが、私はあんた以上をいくらでも知ってるから。

と、そういう訳で私の能力もたまには役立つってもんだね。

私が探してるのはね、別の能力なんだよ。
集める能力とか、ジョイント、選別はいいとして、
実際に中身を活性化させれる能力の保持者。

演出、宣伝、こういった能力に長けてる人が欲しいんだよな。
そうした人は現場の人の心をよく知ってる、差し入れしたりプライベートで遊びに行ったり、きっと活性化する力を持ってるよ。
もうそんな人には出会ってるだろうけどな。

そんな力が大きく動きだせば強いよ。
私が待っているのはそこ。
そこが動けば怖いものなしだが、そこが現れなければ先行き暗いよ。
私の勘は外れたことないからね、念のために言っておくよ。