スリルの快感

何もない一日、静かに部屋で園芸の勉強をする。

先週、ちょっと面白い話があったので書いておこう。

その人が言うには、一つのマツタケ山があるそうな。
マツタケは特殊なキノコで、赤松林にしか生えないらしい。つまりそのマツ
タケ山とは、どこかの赤松が自生している山だという事になる。
その山は勿論持ち主がおり、外部者が侵入しないよう管理人をおいているそ
うだ。ところがその管理人がトッポイ奴らしく、仲間を募ってはマツタケ
窃盗を先導しているそうだ。管理人が黙認なので参加者は安心して大量のマ
ツタケをゲットするそうだ、そしてそのマツタケを裏取引する業者までがト
ラックで待機しているという根回しのよさなのだ。取引価格は一本だいたい
2500円ほどで、参加者は一回につき一人数万円〜数十万円を得るそうだ。
管理人は参加者の取り分からピンハネして小遣い稼ぎをしているそうだ。
これは人から聞いた話なので、本当にそれだけの収穫があるかどうかは疑わ
しいが、同じ窃盗でもこうした遊び心を掻き立てられる窃盗なら、一度ぐら
いは私も参加してみたいものだ。
そしてこの手の話はよくあるものだ、「沖縄か北海道へひと夏滞在して商売
してみないか?」なんてのは、そういったたぐいの話である。
北海道では、広大な私有地を利用しての大麻栽培だろうし。沖縄や九州では
オオクワガタや天然記念物を探すといったアルバイトだ。
マツタケの場合も窃盗ではあるが、丹精込めた農作物を盗むのに比べると、
罪悪感を感じないのは何故か?管理人の先導であり加担するだけという、軽
い気持ちになれるからか?山の所有者は今まで充分儲けただろう、という庶
民的なヒガミ感覚だろうか?それとも私に人としての修行が足りないからか。
どちらにしても、参加するなら秋だろう。

その前にこれは密漁になるのかどうか分からないが、やってみたい事がある。
以前の日記に1メートルちかいウツボを釣ったと書いたが、その日偶然にサ
ザエ(つぼ焼きにする普通の大きさ)も一個釣り上げた。たまたまエサであ
るサバの切り身を食べにきたのだろう。その時は珍しい獲物だったので驚い
ただけであったが、よく考えてみると偶然にしても釣り上がったのだから、
潜って探せば沢山いるのでは?と思っているのだ。問題は堤防(堤防は一度
海に入ると陸に上がる手段が少ない)なので危険な事と釣り人のいる湾内だ
けに可能かどうか。釣り人の多い堤防は、釣り人の残していった釣り針や糸
も多い筈、極めて危険だとは思うが、可能であるならやってみたい。
いつも一緒にいく釣友も「基本的に潜りは禁止でしょ」なんて言っているの
で協力は得られないだろう、やるなら単独で早朝しかないだろう。
危険なのは充分承知している、しかし指をくわえて見てられないというか、
スリルを楽しみたいのだ、幾つになっても私は子供なんだと思ってはいるが。

55308(109)     26日  PM10時35分