梅雨の晴れ間は

2週間ぶりに両親が旅行から帰国した。
留守の間実家の植物のお世話は私の係りなので、やっと肩の荷が下りた気
分だ。植物は愛好家にとって「物言わぬペット」なのでお世話係の私にし
ても普段以上に気を使い昨日はさすがに気も緩み疲れがでたようだった。
実家から車で30分のところに植物振興センターというのがある、実家で
植物の世話をした後は必ずそこへ寄り、閉館まで実物を観察している。

園芸の勉強は現在第三単元(高木類の仕立てと管理)
        第四単元(低木類の仕立てと管理)
得意分野の筈だが、思わぬ苦戦を強いられている。覚える種類が多すぎる
のだ、それに実物を見ないとどうしても頭に入らない。
協会が推薦する植物図鑑を片手に、暇があれば公園や近所の庭先の木々を
観察しているが、なかなかどうして判別が難しい。
その植物図鑑、私の参考書であり宝物になるであろう図鑑。旅行前、私が
今までの人生の中で一番勉強している姿をみていた両親からのプレゼント
だ。「そんな金くらいあるから大丈夫だよ」という私に「どうしても買っ
てあげたいの」と、留守中の日当という名目で私にお金をくれる両親だっ
た。(勿論そんな金は使えないから貯金しているが)
両親も歳をとったせいか、最近ではめっきり私に甘い。学生時代ずっと両
親に反発的だった私に両親は冷徹な程厳しかった。今で言う経済的虐待と
いうやつだろうか、小遣いは月3000円バイトもダメそれで全てをやら
なければならなかった。当時多少不良っぽい格好が流行っていた時代で、
そういう仲間と親しかった私だったが仲間らしい服など買ってももらえず
買いもできず、いつも私は仲間と羽根の色が違い肩身の狭い思いをしてい
た。おかげで盗みや略奪は覚えたが・・・。
未だに私は自分の服を選ぶという事ができないのは、その頃の習慣がその
ままだからだ。後日両親は「少ない金額なのは解っていた忍耐をつけさせ
る為だった」と言ってくれてはいるが厳しすぎる躾は素直な心を育てはし
ない。成人後も反発し続け、やっと見るからに年老いた近年の両親をみて、
その心を理解した。それでも尚あの頃少しでも欲しい服を買ってくれてい
たらな〜と、チラッと思う事はある。そんな私ではあるが、現在では逆に
親からの金など勿体なくて使うことなどできない。また親への借金も完済
してないが、どんなに苦しくても成人後に親から貰った金だけはそのまま
手をつけないでいるのも、なんだか妙な話ではある。

何だかわけの分からない話になってしまったが、第三単元、第四単元だけ
は満点を取りたいと思って勉強をしている。
今週末も振興センターへ植物を見に行く、宝物の図鑑を持って。

53233(133)     16日 AM0時45分