見世物の意地

AM6時30分起床 昨日早めに就寝したので今朝は早起きだった。
PM5時から撮影予定、これは雑誌社の仕事。先方で女を用意してくれ
るそうだからどんな女が来るのか待つことにしよう。先方が女を用意す
るのは気楽でいいが、その場合どんな女でも撮影をしなくてはならない
という意味がある、例え私の好まないタイプの女であっても裸にして相
手をしてやらねばならないところが辛いところだ。通常スカウトマンが
連れて来る女は、タイプでない場合こちらでいくらでも設定を変更する
事ができる。そしてタイプの子なら「泊まっていけば?」などど、仕事
以外でのお楽しみという役得の可能性がある。いいトコ取りと思われる
かもしれないが、これぐらいの特権は認めて貰わないとこの仕事を長く
継続するなんて出来やしないというもんだ。去年の私もそうだったが、
このような仕事をしていると体が仕事に対し拒否反応を示すものなのだ
、百戦錬磨の男優でさえインポになったり精神的苦痛から不調になり仕
事が出来ない状態に陥る者は少なくない。大方の男優は強壮剤を服用し
て無理をしている、中には性器を見過ぎハンバーガーを食べられなくな
ったり、演技の女と現実の女との区別がつかなくなってしまい人間不信
から自殺する者までいる。
「人が(秘かに)羨むような仕事をしておいて贅沢な悩みだ」と、思う
旨もあるかもしれないが、それは違う。知らな過ぎの人に説明してやる
が、自分が本当にSEXが好きで人に見られるのが好きで好きでたまり
ませんという、露出嗜好癖のある者は別として通常の感覚の持ち主なら
SEXなどの性行為は他人に隠すものという教育を受けてきた筈だ。
それを敢て他人に曝さなくてはならない仕事をしているのは、その仕事
をせざるを得なかった事情と、その仕事をするからには所詮は見せのも
小屋の見世物に甘んじなくてはならないと分かっているからだ。
私も作品中では理不尽な要求を突き付け、それを実際にやらせている、
それは「この世界は実は甘美な世界ではないんだ、お前が考えている
以上に厳しい現実が待っているんだ、気付くか金を貯めて早く出て行け
、さもないとボロボロになるぞ、興味本位であるにしろ金が欲しくて来
たのだろうから経験はさせてやるが懲りてくれ」という気持ちからだ。
私はやっている事を正当化するつもりはないが、ビジネスとして成立さ
せているつもりだ。
例を言わせて貰えばこうだ。
「罪を憎み人を憎まず」という聖職者のような言葉があるが、そう言い
ながら罪人を鞭で打つ役目の立場の人間もいるわけだ、正当な理由であ
るならば鞭を打つ行為は許されるのか?
暴力は絶対に許されないという法律があるが、その暴力を抑える裏づけ
としてあるのは、それ以上の暴力ではないのか?
解るな?
このように人間の作った決まり事である法律など、いとも簡単に裏側ま
で透かして見える代物なのだ。

それならば私が法を作って何がおかしい?
私の撮影現場では私が正しいし、私が法律なのだ。

と、いうような錯乱した狂気を演じているのが私の作風なのだ(笑)
私のトークは、話の本題を煙にまいて相手がいつの間にか納得してしま
うという他の作品では見られないものだ。その代わりSEXシーンが極
めて短いという致命的な短所もある。好きでもない女といつまでも繋が
っていられるか!というのが本音。
「SEXシーンをもっと長く」なんて言うクライアントもいるが、それ
じゃ他の作品と何も変わらないじゃない?俺を理解してないって事だよ
ね、それなら他の監督、男優を使えばいいんじゃないかな。
同じように俺の作品を観て、「面白くない」と思った人はある意味正し
いね、もともと狙いがオンリーワンの支持層だからね。
これが世界を相手にして通用するかがちょっと疑問だな、今度の仕事は
全世界へ向けて発信する仕事だからな〜。
う〜ん、作風変えたほうがいいか、どうだろうか?悩む。
まぁ失敗しても成功しても成り行きをブログに書くから乞うご期待ね。

8680(43)               AM9時45分