明るい裸

バスパブへ連れて行ってもらった。
バスパブとはバスタオルパブの略で、その名のとうり
コンパニオンがバスタオル一枚で接客をするパブだ。
歌舞伎町の風林会館の近くにあるその店は、入り口で
店員からサービス内容を手短に説明されてから入場する
規則のようだ、説明があるという事はただのパブではな
いなと、想像した。しかし若い頃風俗を常習とし現在
AV監督を生業としている私にとり、たかがパブどんな店
なのかなーぐらいにしか思ってなかった。
店内は薄暗く、音楽と客たちの騒ぎ声が充満していた。
一見、大衆居酒屋のような盛り上がりであったが、半裸
の女がチラホラしていたので、店内の様子を見ないよう
にして案内されたボックスへ座る(これは風俗時代から
の習慣である、風俗では他人の受けているサービスなど
をジロジロ見ないようにするのが礼儀である。)
ボックスに私達が座るとすぐにコンパニオンが一人ずつ
付いた、そして軽く会話していると「暑いから脱ごう」と
まるで上着でも脱ぎ捨てるかのようにバスタオルを脱いで
しまったのだ、私があっ気にとられていると「お客さんも
脱ぎなよ」と言い、女の手はすでに私のワイシャツのボタ
ンを外し始めていた、私はなんの抵抗もできず脱がされた。
女が耳元で「こんな店なのよ、大人がバカになれる店よ」
とささやいた、あらためて店内を見渡すと全裸の女が多い。
この店は風俗やストリップ顔負けなのに、そこには微塵の
猥褻さもない健全な裸での接客をするパブだった、明るい
裸の商売もあるんだなと、私は自分の無知さを恥じ、私の
商売がAVだとは一言も言い出せなかった。 圧倒的に明る
い女の前で小さくなりながらも私は新しい世界を知り満足
していた。ふと私のグラスを見るとタンポンが浮いている
のには驚かされたが楽しかった。
今度また行く機会があれば、私もバカになって発散してみ
たい、私の悩みの一つであるインポも、このような店の女
だったら治してくれるのではないか?と秘かな期待をして
いる今日この頃である、そろそろ柿の季節だ。