春爛漫一年のうちで一番好きな季節がやってきた。
今朝ポストに手紙が入っていた、シルバー世代を相手とした文通サークル
があり私も加入している、そこからの手紙だ。


人の幸せは何でしょう?
長かったようであっという間に過ぎてきた日々を振り返ると私は幸せだ
ったんだなと思っています。
中略
今年で80になる私です、あと何回夏を迎えられるのでしょう 何回冬の
雪を見れることでしょうか、幸いにして私はしあわせというものを実感
できました。 子供を産んで子供に乳を与え子供が成長してゆくのをみ
ていた頃が思えば私にとって一番幸せでした、それを実感して過ごせた
ことが幸運だったと思います。
中略
60年前長崎で原爆に被爆し家族全員を失いました、あの暑い夏からもう
60年の歳月がながれたんですね、当時尋常小学校(現在の6年生)でした
私にとり家族を失った悲しみはたいへんなものでした。
子供が生まれたときは、自分の分身ができたみたいでそれはそれは嬉し
かったものですよ、子供の無邪気な瞳を見ていると 私はこの子を叱る
ことがあるんだろうかとさえ思ったものです、本当に子供ってかわいい
ものですからね。今の親は子育てが下手といいますが私たちだって上手
なわけではなかったんですよ、初めては失敗の連続で二人三人と育てる
うちに子育てのコツを覚えていったんです(昔は多産でしたから)
今は一人か二人でしょ、だから失敗が許されないとゆうか子育てに不安
をもってるんじゃないかしら、それを思うと今の若い夫婦は可愛そうで
すよね。
中略
私が今までの人生を振り返って思い出に残るのはやっぱり家族ですよ、
大変だった分、かけがえのない貴重な財産になってます。人生なんてお
金とか身分なんて家族の思い出とは比べようがないくらいです。
幸せになりたいなら子供をたくさん産んで苦労してでも子育てするのが
いいのではないでしょうか。私が女だからそう思うのかもしれませんが
人類にとってそれが一番肝心なことじゃないかしら。
人の幸せって願うものではなく、感じるものなんですよ。